第25話 ページ27
no side
「…あいつ、まさか上位始祖と一緒に…？」
「そうだよ。僕もいつからなのか詳しくは知らないけど、彼女は第二位始祖や第五位始祖と過ごしてる。」
クローリーの言葉に人間は皆目を丸くした。
「でも殺されるだろ？人間は家畜だ。殺されないにしても、血は吸われる。」
「…確かに、Aさんの首や肩にはたくさん牙の痕がありましたしね。」
深夜とシノアの言葉に、クローリーはフッと笑う。
「彼女はそれを容認してるんだ。君らも見たろ？キ・ルクにも懐いてる。彼もAちゃんのことを庇護してるよ。」
「じゃああの傷痕は…。」
「血を吸ってるのはキ・ルクじゃない。もっとまずい奴だ。」
「まずい奴？」
「第二位始祖、ウルド・ギールス。Aちゃんは彼のお気に入りだ。」
その名前、地位を聞けば、ほんの少し皆の眉間にしわが寄った。
女王とフェリドでさえも日光拷問にかけるほどの力を持つ吸血鬼だ。
「……まじかよ。」
「…Aさん、ああ見えてとんでもない人なんですね。」
強張った笑顔で、シノアはそう言った。
＿＿＿＿＿＿
「ルク様！ただいま戻りました！」
「おかえりー。遅かったな。」
笑顔で迎えてくれた彼に飛びつくと、優しく頭を撫でてくれた。
どうやら怒っていないようだ。
相変わらず燃えている吸血鬼をチラッと見て、その後にルク様を見上げる。
「ん？なんだ？」
「ルク様は頭良いですよね？」
「はぁ？何だよいきなり。まぁ、少なくともお前よりは頭の回転早いぞ。」
「わ、私だって頭良いです！」
「それは馬鹿の言う言葉だよ〜。」
ニコニコ笑いそんな事を言ってきた彼にムッとする。
わざとらしくそっぽを向けば、私の両脇に手を入れ込んで軽々しく持ち上げた。
「わわっ、ちょっと…。」
「軽いなぁ。高い高いしてやろうか？」
「私子供じゃないです！」
「はは、それはどうだか。」
そのまま地面に胡座をかき、私をその上に座らせる。
彼の胸元に寄りかかって、何もない海をボーッとながめていた。
ふと、クローリー様との会話を思い出す。
彼はルク様の頭の良さを尋ねてきた。
何をしようとしていたのか。
まぁ、その会話をルク様に言ったところであまり影響などないのだろうけど。
「…天気良いな。」
不意にそう呟いたルク様に、私はまたあの言葉を口にした。
「知ってますか？」
「何が？」
「どうして、雨が降るのか。」
ルク様は首を傾げ、不思議そうに私を見た。
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ユーリ(プロフ) - 斑鳩@見る専さん» ステキなコメントありがとうございますー！！とっても嬉しいです！！バタついてて全く更新できていませんが落ち着いたらまた更新するのでぜひ読んであげてください！！ (2020年11月29日 7時) (
レス) id: b0d63da9ea (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩@見る専(プロフ) - ほうほう ただの子供が吸血鬼に愛される話かと思って見てみれば、途中から あれこの子結構重要ポジではと思われる描写が少しずつ出てきて あ やっぱり重要な方なんですなってなって 凄く引き込まれました！ いつも更新ありがとうございます！ (2020年11月29日 1時) (レス) id: d0afc845e0 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - あすきさん» ありがとうございます！病院で働いてるもので仕事が忙しいですが頑張っていこうと思います！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: 5fad441ba2 (このIDを非表示/違反報告)
あすき(プロフ) - これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - Rさん» ほんっとうにお待たせして申し訳ありません！！まだ楽しんで頂けてるなんて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年7月19日 21時) (レス) id: f5d30a9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年3月9日 10時
