再会 ページ10
翌日、お店のバックヤードで在庫整理をしていると、スタッフの女の子がやって来て
「Aさん！やばいです！」と興奮したまま話しかけてきた。
「なに？どうしたの？」
そう聞くと
「店の前でジャニーズの！あの菊池風磨がロケしてるんですって！」
一瞬、何を言われたのか理解するのに時間がかかった。
そんな私の様子など気にも止めず
「めっちゃカッコいいですよ！Aさんも、見た方がいいです！」
そう言って、無理矢理私を店内へ連れ出した。
店内に出ると、確かにお店の前の路地が人だかりになっていたけど、その先の人物は見えない。
私を呼びに来たスタッフの子は、仕事そっちのけで店頭まで出て何とかお目当ての人物を見ようと必死だ。
そんな様子を微笑ましく眺めていると、不意に群衆が波打ち、その隙間から一瞬だけ彼が見えた。
目が合った訳ではない。
風磨が私に気付くわけがない。
その時は本当ににそう思ってた。
そう思っていたのに…
人だかりを掻き分けていちだんと背の高い人物が、どんどんこちらへ向かってくる。
お店の扉に付いているカウベルがカランと鳴って、その人はまっすぐわたしの目の前までやって来た。
「お前さぁ、LINEなんで返さないの？」
その人は『久しぶり』でも『元気？』とかでもなく、あたかも昨日まで一緒にいた相手に昨日の会話の続きのように話しかけてきた。
思いがけない再会に驚き何も言えない私に
「ねぇ。聞いてる？
オレ、ずっと返事待ってたんだけど？」
さらに立て続けにそんな事を言われて、頭が着いていかない。
何か言わなきゃと必死で考えていると、またカランとドアが開き「菊池さん！突然いなくならないでくださいよ！再開するのでお願いします！」とスタッフらしき男性が風磨を呼ぶ。
「あ、すみません。分かりました。今行きまーす」とスタッフへ視線を向け返事をしたあと、またすぐこちらへ向き直り
「今日何時まで？」
私に向かって聞いてきた。
「………20時…」
なんとかそれだけ答えると
「分かった。じゃあ、待ってるから終わったら連絡して？」
そう言って私の頭をポンと優しく撫でると
「お騒がせしましたー」と店内のスタッフへ声をかけながら出ていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名 - ？さん» ってか私が読んでいる作品の所に必ず現れますが随分とお暇なんですね(笑) いちいち私が見てる作品の所に来て楽しいですか？(笑) そこまでするって本当笑えますわ(笑) (2023年3月28日 22時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
？ - 作者様、結という方は間違い探しオタクの荒らしなので無視していいです。最後まで間違い探ししまくってコメント欄埋め尽くした挙げ句最後に嫌味言う時点でもうお察しなので。 (2023年3月27日 23時) (レス) id: ce3d4ae5a1 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 続けてのコメントですみませんm(._.)m 最後に主人公ちゃんって靴をつくるメーカー(会社)で 働いていたんでんすね。 物語最初から読んでいる筈なのに分かりませんでしたよ(._.) (2023年3月27日 23時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結 - こんばんは(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語無事に完結しましたね。 ハッピーエンドで良かったです。 物語は完結してしまいましたが。。。 その後の2人が気になります(笑) (2023年3月27日 23時) (レス) @page50 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結 - どうもです(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語読みました。 今読んだばかりなのにもう続きが気になります。 更新待ってますね。 (2023年3月23日 18時) (レス) @page48 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プルメリア | 作成日時：2023年1月18日 8時
