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DY side
「本読んで、Aさんの誕生花を調べたんだ」
「うんうん」
「先代の楼主様に頼み込んで、海外から花を取り寄せてもらった。それを贈って… …Aさん、本当に喜んでくれた」
「…いい思い出だね」
「…うん。……あの頃から何も変わってないよ。確かに俺もAさんも大人になって、色々経験して、…今はこんな風になっちゃってるけどさ」
「…気持ちは、変わらない？これからも、Aヌナのために、その喜ぶ顔を見るために、何かしたいって…強く思ってる？」
「…うん。それが、俺の生きる意味」
「…」
「……俺は、あのひとの笑顔のそばで生きられたら、それが一番幸せなんだよ」
「…ヒョン、言ったじゃん」
「え？」
やっぱり。
…言葉を紡いだテヨンイヒョンの瞳、
その大きな瞳の 綺麗なこと。
さっきまでの混沌とした何かは、
憑き物が取れたように 消え去っていた。
僕は微笑んで、ヒョンの肩に手を置く。
「今言ったこと」
「…うん」
「それが、テヨンイヒョンの押しも押されぬ“意志”ってやつだよ」
「……おれの？」
「うん！何も、不安に思うことも気後れすることも無いって。そんなに強く、心からAヌナを想っているのは、ヒョンがヌナを愛してるからじゃないの」
「…！」
「…ヒョンはずっと、Aヌナのことが好きだったんだよ。それすら“当たり前”で気付けなかったんだ」
ヒョンは、
僕を震える瞳で見つめてる。
…何故か、少し泣きそうになりながら。
衝撃を覚えているような、
それでいて どこか感動しているような
どこか、安心しているような そんな顔で
ヒョンのやつれた、ずっと強張っていた頬は
…微笑みを取り戻す。
僕は笑いながら、ヒョンの背中を叩いた。
「自信持ちなって！そして、ヌナに伝えに行きなよ」
「…」
「貴女が大好きです、これからも一緒に居たいです って！」
「…そんなこと、言えるかよ…」
「言えるよ！だってテヨンイヒョン、ヌナのこと好きなんだろ？」
「……俺…」
テヨンイヒョンはまた僕を見上げて、
その目には今にも溢れそうな涙が溜まっていて
ヒョンは、心から嬉しそうに笑った。
…泣きながら、笑った。
「そっか、俺…」
「……Aさんのこと、好きなんだ…」
雨は、いつの間にか上がっていた。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
