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DY side
「でもある日、たまたまAさんが俺の前通りかかって、“一緒に来ないか”って」
「…それにテヨンイヒョンはついていったの？」
「そう。そして、テヨンって名前を貰った」
「…！」
「ずっとAさんが、俺のそばに居てくれた。俺が大人になるまで、なっても、ずっと」
…そうだったんだ。
そりゃ、離れられなくなるのも納得だ。
二人の間に漂うままならない空気も、二人にしか分からないような世界があるのも。
Aヌナのことが好きなのかどうか、分からないと言っていたテヨンイヒョンの その言葉の真意も
よく分かった気がする。
テヨンイヒョンにとって、Aヌナは
姉であり、母親であり
唯一の肉親と呼べるような存在で
初恋であり、恋人であり
きっとヒョンが死ぬまで 愛さずにはいられない
テヨンイヒョンのすべてが
Aヌナ、なんだろう。
…洗脳だなんて疑ってた自分のことが、馬鹿らしくなってきた。
僕にとってAヌナは、
物凄くお世話になった人だし、恋愛的な意味ではなく 大好きだし
この身体を求められればすぐに馳せ参じる
反対に、あの身体が無性に欲しくなる時もある
世間一般から見たら それはおかしい関係かもしれないけれど
こんな特殊で残酷な世界で見つけた、
僕にとっての ひとつの確かな愛のかたちだ。
そして、テヨンイヒョンも。
誰よりも気が利いて、
男娼たちの長として、昔から皆の相談に乗っては
共に歩んできてくれた
確かにちょっと不器用で誤解されやすいところもあるけれど
優しくて、ちょっと悪戯好きで、
心の丸い 暖かな人。
僕の、大切な人。
そんなヒョンが迷ったとき、
背中を押してあげられる立派な大人になってやろうと
…ひっそり決意していたのは秘密だけど
今が、その時だろう。
「…ヒョンはさ、自分がAヌナに子供の頃から操られて、無条件でヌナに従うようになったと、思ってる？」
「……どうなんだろう」
「ヌナのこと少しでも、嫌だな とか、ちょっと距離置きたいな、とか、自分無理してるな、とか…思ったことは？」
「…そんなの、あるわけ無いだろ」
「…じゃあ、自分からヌナのために何かしようとしたことはある？」
「ある。沢山ある」
「例えば？」
「……常にしてるから余り覚えてないけど、よく覚えてるのは… 此処に来て半年くらい経った頃、かな。Aさんの誕生日のとき…」
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
