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DY side
テヨンイヒョンの横顔は、
この数週間の間で かなりやつれてしまった。
目から精気は失われ、肌の色は 青白く落ちて
絶世の美貌を誇っていたはずなのに
枯れる直前の、萎れた薔薇の花弁のように なってしまった。
皆、いよいよこの異変を危険視するようになってきた。Aヌナ、テヨンイヒョンと付き合いの長い僕らのような人たちは、特に。
テヨンイヒョンは元から気分の上下が日によってある人だったから、出勤直前まで部屋から出てこないこともたまにあったけど
こんな状況だし、余計に心配になって様子を見に来てみたら
今にも倒れそうなくらいの足取りで部屋から出てくるところに、たまたま遭遇した。
轟々と雨が降りしきる外の様子を、
ただ眺めているテヨンイヒョンは
やがて僕に振り向くと
またすぐ視線を床へと落としてしまった。
「…おまえ、知ってたっけ。俺とAさんのこと」
「…いいや。多分、誰も知らないよ」
「…そう、なんだ」
「…本当のところは、どうなの。好きなの？ヌナのこと」
「……」
「…」
「… ……わからない」
「…え？」
テヨンイヒョンが顔を上げる。
見えるはずも無い月を、夜空に探すように
ひたすらに目線を泳がせる姿が
…哀しく見えたのは、気のせいなんかじゃない。
僕は、てっきり
僕が此処にやって来た時からテヨンイヒョンはAヌナの隣に居たものだから
ずっとテヨンイヒョンはヌナのお気に入りで
長らく寵愛されてきたのだろうと
そして、テヨンイヒョンも 勿論
ヌナのことを誰よりも慕って、深く愛しているのだろうと 思っていた。
だからこそ、
まるで消えかけの
「分からないって… それって、その…… 肉体関係を強要されてきたから、とか そういう理由で？言葉は悪いかもしれないけど、洗脳…みたいな…」
「ははっ…ドヨンイはやっぱ正直だな。……俺は、そうじゃない って、思ってきたんだけど」
「…」
「…そう、なのかな。それすら分からないよ。Aさんと出掛けたり、特別扱いされたり、したり、一緒に寝たりすることに、疑問なんて無かったんだよ」
「疑問…」
「誰よりあのひとのそばにいて、あのひとに愛されて、それが当たり前で。…だから、俺があのひとのこと好きとか、あのひとが俺のこと好きとか、そんなの、無いんだ。……けど」
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
