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TY side
こんな悩みを打ち明けられる相手なんていない。
無二の親友であるユウタにさえも、俺とAさんの関係ははっきり説明したことは無いんだ。
…誰も知らない、だからこそ
俺がどうにかするしか、無いのに。
それなのに力が湧いてこないんだ。
目の前が朦朧とするような気がする。
ふらつく足取りをどうにかしながらも、部屋を出た。
「…テ、テヨンイヒョン！？どうしたの！？」
「え…？ああ、ドヨンア…」
「顔色っ、てか今にも倒れそうだし、」
ドヨンが顔を真っ青にして駆け寄ってきたかと思えば、俺の背中に手を回してくれた。
…このまま倒れ込んでしまいたいくらいの疲労感が、どっと押し寄せる。
それでも、ドヨンのおろおろする様子がどこか滑稽で
こんな時にも、可愛いやつだなって思ってしまった。
俺は今一度足に力を入れ直して、ドヨンの手を離れる。
「こんな調子で…お客様の前出れるの…？」
「…いくら体調が悪くても、お客様の前では完璧にこなしてるつもりだよ」
「…あの、やっぱり、さ」
「ん？」
「……最近調子悪そうなのって、楼主様と話せてないから？」
「……うん」
ドヨンは、自分のことじゃないくせに
なんだか悔しそうに唇を噛み締めている。
可愛い弟が、一体何をするって言うのだろうか。
本当は俺とあのひとの事情に、誰も巻き込みたくもないのに
この今にも壊れてしまいそうな心は、
そこへ巣食う、果てない闇のような不安を
…きっと理解してくれる、ドヨンになら打ち明けたい と そう、叫んでいた。
「…ヒョン、俺でよかったら… 話、聞くよ」
「…」
「少しでも気が晴れそうなら… うん、聞かせて？」
健気に微笑んで、俺を見上げてくる。
俺も微笑みを返しながら、頷いて
そっと窓の外を眺めた。
暗雲が立ち込め、勢いよく地表を跳ねる雨粒たち。
終わりの見えない雨の中を真っ直ぐに見つめたって、何も見えてきやしない。
早く、この雨が上がって
澄み渡るような青空や
満天の星空の下で
貴女と笑い合えないかな
…貴女と二人で
また そのやさしい手を 握れないかな
…Aさん
なんで、貴女は
俺からいなくなってしまったの？
……寂しいよ
寒いよ
悲しいよ
貴女は、なんとも 思っていないの？
俺がいなくたって
…貴女は、本当に 平気？
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
