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WI side
「…俺は今まで、あなたに何も出来なかった」
「正直、今でも これが手を差し伸べている行為なのか、分かりません。…俺に何が出来るのか、ずっと考えてきたけれど…」
「……テイリヒョンみたいに器用でも、ないから」
「それでも、貴女が俺を嫌っても、敬遠しても、これだけは譲れない」
「いいですか、Aさん。…テヨンイヒョンを捨てるとか、そんないけないことを考えたら、だめです」
「だってAさんは、テヨンイヒョンのこと…」
「誰よりも、想っているんでしょう？」
「…俺に出来ることは」
「貴女にそう、気付かせてあげられたら… いいなって」
「簡単なことじゃないのは、分かってます。俺の言葉を聞いた今この瞬間から、貴女が俺の言葉を否定することも分かってる」
「それでも伝えずにはいられない」
「ここで、テヨンイヒョンを独りにしないでください」
「テヨンイヒョンを失って、貴女が平気でいられるはずが無い」
…Aさんの手を、握り締めながら
そんなことを一思いに言ったけれど
ちゃんと伝わっただろうか
俺はやっぱり不器用だから
これまで色んなことがあった
最初はこんな格好をするのも嫌だった
なんで女性の姿で客前に出なければならないのか
恥ずかしくてしょうがなかった
化粧も上手くなかったし
Aさんのこと、疎ましく思っていた
指導は厳しいし
理不尽なことをたまに言うし
かと思えば、痛いとこをあえて正論で突き通すし
怖かった
…雪より冷たい、その目が
だけど
本当はとても不器用で
少女のように純粋で
俺と同じで
…思いを伝えることが、大の苦手。
そして
本当は、底無しの愛情を、俺らに抱えているひと。
今ならなんとなく分かる。
どうしてテイリヒョンやドヨンイヒョン
ジェヒョナやユウタヒョン、マーク、ジャニヒョン
そしてテヨンイヒョン、テンヒョン
俺よりきっと虐げられ、厳しくされてきたはずの古い仲の男娼たちが あんなにもAさんを守ろうとするのか、その理由が。
俺もいま、
貴女のこと 今こそ守りたい って
強く感じてる。
ここで俺が出来ることをしなければ
Aさんも テヨンイヒョンも
一生の傷を抱えてしまうから。
…お願いです、Aさん
テヨンイヒョンから逃げないで
大丈夫だよ
ヒョンは、Aさんのことを
この世界の何よりも、愛しているから。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
