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HC side
「Aヌナ、貴女は」
「…楼主様、だけど」
「……一人の、女性じゃないか」
「この世に生まれてきて、こうして今も生きて」
「そんな貴女が幸せになれる権利を剥奪される世の中が、あるものか」
「貴女が勝手に信じてる世界で、貴女はこんなに苦しんでいて、周りの人も傷付けて、」
「…貴女はどうしたいんだよ」
「貴女は、どう生きたいんだよ」
そこに貴女の意思は、あるの？
貴女が生きる道は、貴女が生きたい道なの？
例え、娼夫としてこの体と未来を親に売られた俺のように
自我が奪われるような環境にあったとしても
それでも、
俺なりの幸せ、掴んでやる って
そしていつかは外の世界で
自由に生きてやるんだ って
そんな野心を持つだけで、人生は変わる。
テヨンイヒョンも同じだよ
貴女と同じ
時に虚ろな 死んだような目をして笑ってる
…貴女は、どう生きたい？
運命なんてもの、無いんだよ
無くしてしまえばいいんだよ、そんなの
俺はヌナの肩を、ぎゅっと抱き締めて
その綺麗に結われた髪を、撫でて
ずっと伝えたかったこと
…心に、秘めていたこと
瞼を閉じ、覚悟を決めて
唇を開いた。
「貴女は、愛されてるよ」
「…少なくとも、ここに居る一人からは、確かに。ね、」
「……だからそんなに悲しい顔をしないでよ。貴女は貴女の意思でいくらでも変われるよ、だからそんなに自分自身を恐れないで…」
「…Aヌナ、俺は───」
貴女が立ち直れるまで、
貴女をずっと そばで抱きしめていたい
貴女がまた笑えるまで、
くだらないことでも話し続けよう
テヨンイヒョンとのことは なんだかまだ引っ掛かることも沢山あるけど
貴女がその心の傷を癒せるまで
テヨンイヒョンときちんと話をつけられるように
俺も力の限り手伝うよ
…だって譲りたくないもん
ね、だから
だから…
“俺は、貴女のことが好きです”
そう、言おうとして
息を吸った瞬間
雷鳴のように、
部屋にいきなり一閃の光が射し込んできた。
ガラッ、という
襖が開けられた大きな音。
知らない、人影。
驚いて振り向くと、
そこにはテンヒョンが立っていた。
…蛇のように、微笑みながら。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
