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MK side






「あれ… こっちじゃないんですか」


「此方です。着いて来なさい」






凛と背筋を伸ばした そんな細い背中から

時に感じる妖艶さは なんなんだろう。




ジェミンの話をした途端、顔色が悪くなってしまった楼主様を お部屋までお連れしようと思ったのに

楼主様は部屋の前を通り過ぎ、俺も足を踏み入れたことのない 奥の廊下へ進んでいく。


豪華な絨毯が敷かれた廊下。
足裏から伝わる感触への違和感。

まるで、見知らぬ世界へと 俺を誘い込むように
楼主様… いや、



ヌナは すたすたと歩いていく。








「此処です」






彼女が立ち止まれば 俺はすかさず戸を開け、ヌナは部屋に足を踏み入れる。

ヌナに続いて部屋に入り、戸を閉めた瞬間
どこか不穏な空気を感じてしまった。




部屋の中には、


寝台が ただ一つ。




開けっ放しにした窓から吹く、爽やかな朝日を纏った風が その寝台の上から垂れる(すだれ)のようなものを揺らしている。






「ヌナ、これってなんですか」


天蓋(てんがい)というもの。印度(インド)から輸入したの。王宮や貴族の家でよく使用されているそうよ」


「凄い、優雅な布… …Is it… like, silk?」




カーテンのように折り重なったそれに触れながら尋ねれば、ヌナは頷いた。



窓の向こうに見える空は、この上ない 快晴のようだ。


羽織りを脱いだヌナの後ろ姿は、
天界から降りてきた天女のように 麗しくて

青空との親和性に、驚く。



そして、不意に思い出す。


…俺がまだ全然小さかった頃の、
あの頃の ヌナの姿を。




最近、思うんだ。


ヌナって、こんな人だったっけ。

それとも俺が、大人になったのか。



厳しくて、抜け目無くて、辛辣で

正論と極論を上手く編み込み、
俺らの甘い考えを薙ぎ倒していく支配者、

統率者、独裁者。


言ってみれば、楼主になってからのヌナは
そんな人だった。




だけど、最近のヌナは ふとした瞬間に
消えてしまいそうに見えるんだ。

そこに居る “女性” として、魅力とも、色気とも 言い切れないような 不思議な引力を放つ。


まるで、昔の彼女が戻ってきたようで…








「お茶、淹れてくれる?」


「…えっ、あ…… あ、はい」






…やばい、見惚れてた。



俺は急いで囲炉裏の方に向かう。
ヌナはそんな俺の焦った様子に、くすくすと 静かに笑い声を漏らしていた。




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ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン(テンも?)がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください!更新首を長くして待っています^^ (1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月 | 作成日時:2021年1月14日 17時

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