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MK side
振り向くと、寝台に腰掛けて
俺の姿を伺いながら、微笑んでいるヌナ。
…上手く、言えないけれど
全くそんなことは無いのに、
見てはいけないものを見ている気分だ。
“厳しい楼主様”で居続けてくれたら、
それほど楽なことは無いだろう。
それなのに、
…なんで、こんなふうに 今になって
俺の心を くすぐってくるんだ。
部屋には二人きり。
誰も知らない、寝台だけがある部屋。
これは貴女の、悪戯？
俺を試しているのかな。
…貴女にはもう、テヨンイヒョンが居るのに。
それとも…
「マーク、沸騰してる」
「あっ…」
「ふふ、どうしたのよ」
慌てて火から下ろし、嘆息。
…お茶を淹れる気力なんて、なんだか身体の芯が震えて 湧いてこない。
手を止めた俺を見て、
…貴女は満足してる？
俺は囲炉裏のそばで、座り込んで
貴女は寝台の上で 高見の見物だ。
こんな風に、ずっと届かない。
初めて出会った時から、貴女は俺より
ずっと 遠い場所にいて
その隣には、必ずテヨンイヒョンがいて
俺が絶対に越えられないような壁があった。
それでも貴女は、俺を可愛がって
大切に 誰よりも大切に、育ててくれた。
感謝してる。
異国から来た俺を、あんなにも暖かく受け入れてくれたこと。
俺を差別し、仲間外れにし、物を隠し
いじめてくる先輩を叱り飛ばして 罷免したこと。
そのあと、俺の頭を、優しく撫でてくれたこと。
俺を、ちょっと強いくらいの力で
母親のそれよりも、ずっと暖かく
抱きしめてくれたこと。
恋とか愛とか、そんな言葉を
貴女は“綺麗事”って 鼻でいつも笑うから
多分 違うんだと思う。
だから、俺がAヌナに感じているこの想いの正体は
…分からない、分からないけれど
俺の初めてを
貴女に捧げたその夜から
俺は貴女に抱き締められると
やっと 砂漠の中で水にありついた旅人みたいに
生きながらえる気分になって…
こんなことあってはならない、そんなの分かってる。
分別が付くし、言葉で誤魔化したくも無い。
俺にも好きな人がいる。
それでも…
「…マーク？…っ……」
…多分、俺は
貴女のことがずっと好きだったんだと思う。
そして今は
そんな貴女を、
俺の大切な 貴女を
…昔は、“もっと”大切だった 貴女を
それでも、今、助けたいんだと思う。
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むうみん - これもしかして、、ジェミン編もテヨン編とと同じ時間軸、世界線に存在してますか？面白すぎる、、いろんな主人公の視点で見れますね。官能的だし、すきです。言葉も難しいの多くてすごい、、応援してます (2021年3月14日 17時) (
レス) id: ad7920768e (このIDを非表示/違反報告)
ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン（テンも？）がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください！更新首を長くして待っています^^ (2021年1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年1月14日 17時
