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噛み付いた牙。
口内を
身体は抵抗しようとするのに、
脳が、気持ちいい と 叫んでる。
その瞳の深淵に居る、無邪気を装った蛇。
…そうだ、蛇のように
その身体の全てが、私に巻き付く。
「…何を、ガマンするの」
「っ…」
「叫んで、欲しがって、ボクのトリコになればいい。気持ちイイって、声をさ」
「…、」
「ふふっ、聞かせて。ボクが溺れるくらい。ねえ、ボクを貴女に溺れさせてよ」
灰色の瞳。
宝石を纏ったように煌めく瞼。
愉快に笑みを浮かべる唇。
こんな感覚、いつぶり？
感情と身体が 突き動かされるように
強く強く、惹きつけられる。
…行為を楽しみ、感じる なんて
そんなこと 殆ど忘れ去っていた。
それなのに。
私の着物の裾を割って、滑り込んできた手のひら。
脚を撫で、太腿に口づける。
…ほら、また
身体の中心が 疼く。
恐れすら、愉悦に変わっていく。
「んっ…、ぁ…」
「…綺麗、肌。真っ白だね。…でも、ココは…」
「やっ…そ、んなとこ…」
「…ん、この着物… キレイだけど、要らない」
慣れた手つきで 私の帯を解く。
抗おうものなら、その唇で 黙らせられる。
激しく接吻を交わし、息も絶え絶えになると
それでも彼は、楽しそうに笑った。
満足げに唇を舐め、ちらりと見えた 桃色の舌。
薄暗い紫に照らされる彼の表情は、あまりにも妖艶。
肩まで落とされていた着物を慌てて繕うと、
テンくんは再び 首をかしげて 私を見下ろした。
無邪気なふりを、してるだけ。
思わず後退りすれば、彼は意気揚々と
私の身体に這い寄る。
太腿に触れ、腰を押さえ、
肩に腕を回して
私を壁に追いやって、馬乗りになる。
その長い指が、私の顎をなぞる。
…ゆっくりと、微笑む。
「どうして、嫌がるの？」
「…嫌がってなんか、」
「ふふっ、キミは… ……うん、分かった」
「…え…？」
鼻先が触れ合う。
その、すらりと通った鼻筋。
鼻腔に迫る、異国の香り。
「どうしてそんなに… ミンナがキミを、欲しがるのか」
「…、」
「…キミは、欲望を叶えにココに来てるわけじゃ、ないんだ」
「…」
「…行為なんてツマラナイことだと、思ってるんでしょ？」
「…っ、」
「ふふっ、じゃあさ」
「…ボクが、キミの身体、よくしてあげる」
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
