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*5* ページ6

あれから何年も時が流れた。
この星にも限界がきていた。
数年間続いた干ばつに私は耐えれたものの、動物たちは耐えれなかった。

飼っていた動物もついに私のもとからいなくなった。残ったのは中身の無い亡骸だけ。

私は枯れた大地に墓を作った。
父、母、ペット、そして馴染みの動物たち。
こんもりと盛られた土に木の棒をさした。

残った最後の動物はAと1匹のりす。
オアシスを見つけてはそこで水を与え、木の実を見つけては与えてやった。

あの宇宙船はあれ以来やって来なかった。
それに怯えることは無かったものの、天には逆らえずに死んだ動物がたくさんいた。


『今日も、生きれるといいね』


そう言って、りすを連れて歩いた。
夜兎は強い日差しには耐えられない。母が残した日傘を使ってやり過ごした。
本当にこの傘は頑丈だ。

りすはもう自分で歩けないくらい弱っていた。
もう数日も持たないだろう。

この星は不幸だ。酸性雨で悩んだかと思えば、日照り続きの干ばつ。

もう、この星では生きていけないだろう。


『アンタももうすぐ...最期はちゃんと看取ってやるさ』


りすは眠りについたように見えた。だが、それにしては温かさが無かった。

これで最後の1匹。

また墓地に行って墓を作った。


しばらくすると、何年も前に聞いた宇宙船音が聞こえてきた。


『あの音...!』


私は音のする方へ駆け寄った。
だが、数日間何も食べてない体では長くはもたず、倒れてしまった。

立ち上がるがフラフラだった。


「あ、いたいたー」

「この星もさびれちまったなぁ」


ボヤける視界に入ったのは、朱色の髪で笑顔の男ともう1人やる気のない顔の中年男だった。


「ねぇ、阿伏兎。ここの星の生き残りってこの子だったよね」

「ああ、でっかくなっても目付きは変わらねぇ...って、嬢ちゃん?」

『...あぁ、あの時の...』

「フラフラじゃねぇか、この星の夜兎の生き残りが...情ねぇぜ?」

「あり?昔は威勢が良かったのに〜」

『...この星に食料なんざ、ないさ...動物もさっき最期を看取ったよ...あとは、私だけさ...』


こいつらを殴る元気は私には無かった。
喉も乾き、腹も減り、暑さでやられていた。


「阿伏兎、この子連れてってもいい?」

「はぁ...元々こいつを連れ帰るって言ってたが、こんな弱ってても連れてくってか」

「だって、ご飯食べさせればまた強くなるでしょ?」

「へぇへぇ、別に構わねぇよ。ったく、うちの団長は物好きだ」

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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
- ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
- 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月21日 17時

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