＊４３＊ ページ44
Aの母星に着いた。
星を出た時より、緑の植物と水が増えていた。
あの頃は干ばつ続きだったが、今度は雨が降り続いたのだろう。
『…じゃあ、行ってくるよ』
「おう、さっさと済ませろよ」
「…」
神威は黙って見送った。
それを見て優しく微笑んだA。
また神威は目を逸らした。
Aは船を降りて歩き始めた。
見た目は確かに変わってしまったが、10年以上いた星だからか道はわかる。
回復したとは言えないが、前よりも環境は良くなっているのを見て少しほっとしていた。
Aは真っ直ぐと墓地へ向かった。
その頃の春雨船内。
阿伏兎は神威に話し掛ける。
「団長さんよ、あいつが帰ってこなかったらどうするつもりだ？」
「Aがそうしたいならいいんじゃないかな」
「はぁ…無理やり連れ去ったのに何だ？勝手に連れてきて世話するだなんだ、少しで嫌になって捨てるだァ？」
「…別に、Aの意思なんだろ？」
「だから放っておくってか？俺にはお前さんの行動が理解できないねぇ」
阿伏兎は嫌味ったらしく言い放った。
神威は気にしない様子だ。
「あいつ、あそこで死ぬっていったらどうする？」
阿伏兎が質問するっと、神威はピクリと動いた。
「放っておくって言っといて、嬢ちゃんが危険な状態だとすぐ助けにいく。お前さん、あいつをどうしたいんだ？」
「…」
神威は黙ったままだ。阿伏兎は続けて話す。
「もう少し素直になったらどうなんだ？」
「…十分素直だろ、こんなにも態度に出してるんだ」
神威の笑顔はずっと消えたままだ。
ぶつぶつと呟いた。
「Aを見ることが苦しくてしょうがないんだ。Aじゃないみたいでね」
「…はぁ」
覇気がない神威に呆れる阿伏兎。
会いにいけと言うようにこう言い放った。
「そういや嬢ちゃん、ナイフを持って行って何するんだろうな。切れ味のいいやつって探してたんだが」
「…」
「首なんか自分で跳ねちまうかもしれねぇな…おっかねぇよ」
「ちょっと行ってくるよ」
神威は機嫌が悪そうに、そして焦ったように船を降りた。
「なぁにが素直だ。心配でしょうがねぇんだろうが」
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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます！直しておきました！ (2020年1月28日 22時) (
レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか？ 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー！！妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく！凄い面白かったです！！！ (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よっちゃん | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月21日 17時
