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「そういや、嬢ちゃん。名前聞いてなかったな」
『A。えっと、阿伏兎...さん?』
「お前タメ口なのに名前さん付けって…」
『じゃあ、阿伏兎』
Aは神威にマントを返さなければならない事に気づいた。
それを阿伏兎に頼んでしまおうか。
『これ、団長に返して欲しいんだけど』
「団長の部屋、嬢ちゃんの部屋の隣だから自分で返しにいけよ。デカい部屋だからすぐわかる」
『あ、うん。了解』
「この船内、広いからな。しばらくは団長か俺が春雨内を案内してやるよ」
『はるさめ?』
「この船の名前だ。嬢ちゃん、知らなかったんだな。宇宙海賊って恐れられてんだぜ」
『海賊...』
「嬢ちゃんにはスケールが大きい話かもな。この第七師団だって、いくつかある中の一つにすぎねぇ」
『団長はこんなその一つを束ねてる長か。そんな気しない、阿伏兎の方が団長って感じ』
「まあ俺は副団長だけどな。アイツにはちゃんとした良さがある。嬢ちゃんだって、見てりゃわかるさ。俺らがアイツについて行く理由が」
『ふぅん...』
「ほら、ついたぞ。ほら、隣のデカい部屋。そこが団長の部屋だ」
『ありがとう、じゃあ届けてくる』
「あとこれ鍵な。戸締りしっかりしねぇと、変なやつが入ってくんぞ。第七師団に女はお前だけだしな」
『あー、うん。気をつけとく』
Aは鍵を貰ってから神威の部屋にノックした。
『団長、いる?』
「...ん?Aか。どうしたの?戦いにきたの?」
『そんなわけない、はいこれ。貸してくれてどうも。あと、もう変な戦い申し込むんじゃないよ』
「俺がAを鍛えてあげようと思ったのに。道場みたいな」
『言い方変えてもダメ』
「でも、君を強くしたいのは本当だよ。この第七師団は戦闘民族の団だし、強くならなきゃ戦にはついていけない」
『...まあ私、戦いにはなれてないけど』
「じゃあ、特訓しようよ」
『何で嬉しそうなのさ...』
「だって、戦うの楽しいし。Aがもっと強くなるなら尚更楽しくなるでしょ?」
こいつは戦闘バカだ、Aはとっさに判断した。
そう思いつつも、神威の特訓とやらには参加するつもりでいた。
『特訓くらいなら…まあ団の足引っ張るのも嫌だしね』
「やったー、じゃあ明日呼びに行くからね」
そう言って神威はドアを占めた。
引き受けてはしまったが、結構めんどくさいかもしれない...。
Aは部屋に戻った。
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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月21日 17時