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神威の家族について、阿伏兎に問いかける。
「団長の家族ねぇ…俺も詳しくは知らねぇけど」
『少しでもいい』
「あいつが入った理由が、父親を超える、ぶっ倒すみたいな理由だったな。父親がかなり強い。世間知らずのお前さんは聞いたことない名前だろうがね」
『他には』
「妹がいるな。あいつとかなり似てる」
『妹か…母親について、何か知らないか』
「多くは語ったことはねぇが、たしか病気で亡くしたんじゃなかったか?春雨に入ったのも、それから日があまり経ってないだろうよ」
『母親がいないのか…』
「しかし、どうしたんだよ。急に家族のことなんてよ」
『神威が…言ったんだ。母さんって』
「へぇー、変なやつだなぁ。兄弟でもねぇのに、嬢ちゃんに急に」
『…かなりら苦しそうにしてたんだ。本人にこれ以上聞くのは良くないと思ってな』
「あいつもまだまだ子供ってことだなぁ」
『どこを直せば、面影をけせるんだろう』
「母親なんざ見たことないからなぁ…髪でもバッサリ切っちまえよ」
Aにとっては思い切った事だった。
見た目を気にして伸ばした髪ではないが、何年も母星から一緒に過ごしてきた証だった。
『…髪か……』
「やっぱ気にするか、こう見えても女だもんな。お前さんも」
『そこを気にしているわけじゃないんだが…』
「気にならないなら切っちまえよ。邪魔じゃないのかねぇ、そんなに引きずりそうなもんがよ」
『これはこれで…気に入ってはいるんだ』
「まあ好きにしろよ、どこに似てるだとか、俺には分かんねぇからよ」
『阿伏兎、今後どこへ向かうとか決まってるのか?』
「なんだよまた急に。潰したい星でもできたか?」
『少し、私の母星に帰らせてくれないか』
Aには考えがあった。
いや、考えというよりは決意だ。
捨てると決めた星に一度帰るのは、自分勝手な気がしたが。
「急にホームシックか?」
『神威と同じこと言うな…』
「じゃあなんだってんだよ」
『もう、あの星には戻らないと別れを告げに』
Aなりの覚悟だ。
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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月21日 17時