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*2* ページ3

洞窟の外に石を積み上げて、雨もだいぶ弱まったころだった。
父に急激な変化が出てきたのは。


「っ...ほごっ...はぁ...」

『お父さん苦しそう...』

「おかしいね、外出てから一ヶ月。ずっと治らない。むしろ悪化してるなんて」


動物たちにはなんの影響はなさそうだった。
怪我を少しする程度で、病らしいことはおこらなかった。


「A、この子達を何匹か外に出しな」

『え、でも...まだ痛いんじゃ...』

「たぶん大丈夫さ、こいつらは…外を見てごらんよ」


外の草木が枯れることは少なくなり、草が生い茂っているとこをもちらほら出てきていた。


「ほら、だんだんと回復していってるだろう?」

『じゃあ、出してくるよ』


何匹か動物たちを外に出してやると、生き返ったように元気に走り出した。
それを見た他の動物たちもはしゃいで外へ出ていった。

だが一羽のうさぎが震えて奥から出て来ない。


『うさぎさん、おいでー』

「怖がりな子だねぇ。少しくらい、いいさ。うちでかってやるよ」

『よかったね、うさぎさん!』


もう外に出ても平気そうだが、Aは母にはまだ許しをもらえなかった。


「...はぁ...ごほっ、すまねぇな…俺のせいで、迷惑かけて」

「アンタは悪いことしてない、動物たちにとっちゃ、命の恩人さ。今は無理せずにずっと寝てりゃいいんだよ」

「本当にすまねぇ…ごほっ...」


それから数日後、待ちに待った晴れの日。
太陽は照り、快晴とまでは行かないが雲は少ない空だった。


『今日は晴れだよ!』

「...この星にやっと...晴れが...」

『今日は外出ていいよね!川の水をとってくるんだ!』

「じゃあ、バケツ持っていきな。変なものあっても拾うんじゃないよ」

「A...ごほっ、気をつけてな…」


Aは駆け出して川へと向かった。
だいぶ草木は枯れて荒れていたが、一部は新しいものが生えていたところもあった。

動物も普通にこの水を飲んでいた。動物たちがこの川の水は大丈夫、と言っているようなきがした。


『水をくんで...あっ、お魚さんも入っちゃった!逃がさないと...』


Aはまた急いで家に戻る。父に新鮮な水を飲ませるために。


『ただいまー!』


Aが元気よく帰ってくると、母は俯いた。何があったのか、Aは尋ねた。


『どうしたの?』

「A...!」


母はA抱きついた。Aがはバケツをその場に置いて、母をなだめた。
母は泣いているようだった。

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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
- ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
- 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月21日 17時

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