用心棒が過保護すぎます！【黄】

35 ページ36

柊さんたちは少し顔を見合わせてから瞳に決意の念を宿らせて組長の方を向いた。


柊「僕たちは、そこまで言っていただけるのなら。必要としていただけるのなら。


る組として生涯を全うしたいと思います。これからよろしくお願い致します。」


そうきっぱりと言い切る柊さんの顔はびっくりするくらい清々しくて、かっこよかった。


？「俺も、相方と一緒にる組として生きていきたいです。俺たちのわがままですが、よろしくお願い致します。」


組長「よかろう。君たちならそう言ってくれると思っていたよ。


ただし、る組のことを口外したら…問答無用で地獄行きだ。分かったな？」


柊「もともとそのつもりでございます。」


？「はい、重々承知しております。」


すごい、あの組長のオーラに押されず受け答えしてる。


一応僕の父親だけど、あんなふうに受け答え出来っこない。絶対ビビる。


組長「ということでお前ら、本名を名乗ってくれないか。」


柊「あ、すみません。葵木 論(あおき ろん)、コードネームはころんです。」


？「名乗らず申し訳ないです。桃里(とうり) さとみコードネームはそのままさとみです。」


組長「コードネームはそのまま使うのでいいか？もし、他の組を潰す任務だとバレる可能性が…」


こ「いいえ、大丈夫です。」


さ「俺も、こいつが変えないなら変えません。」


これが相方なのかな。僕は相方…というか用心棒のAがずっと一緒だったけど。


出会ったのが6年前って言ってるのにここまで信頼関係を築けているのは凄いなって。


めちゃくちゃ上から目線だったけど…そんなことを思う。


Aは僕の中で信頼どうこうじゃなくて特別枠なんだよなぁ。もちろん信頼はしてるけど。


組長「そうか。これからよろしく頼むよ。ころん、さとみ(・・・ ・・・)」


こ「っ…はい！」


さ「はい。こちらこそよろしくお願いします。」


そう言い畳に頭がつくんじゃないかってくらい深く礼をしている姿を見て。


案外いい人たちなのかも。なんて今更だけど、僕の中の不安が晴れていく感じがする。


『る組としてこちらからもよろしくお願い致します。』


る「あっ、よろしくお願い致します。」


あぶな…気抜いてた。後でAになんか言われるのは確定してる。絶対笑われるじゃん。


組長「今日はここまでだ。遅くまでありがとう。」

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す