用心棒が過保護すぎます！【黄】

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るぅとside


『そろそろ学校に行きましょう、るぅちゃん。』


る「ああ、そうだね。」


8時ちょっと前に僕らは一緒に家を出る。


と、その前にいつものがあるんだった。靴を履き替えたAが僕の前で跪く。


『るぅと様、今日も1日私Aがお供し全身全霊でお守りさせていただきます。』


これに僕はどんな風に返せばいいのか。永遠の謎である。


る「今日もよろしく。」


なんとなくいつもこうやって返事をしているけど。合ってる？


まあAが突っ込んでこないのならいいのだろう。


『瑠夏、今日の数学の宿題した？丸つけしたら半分しかあってなったんだけど。』


ここから僕達は"幼馴染"を演じる。


組の人間ってばれないように。毎日一緒に登校している理由にもなる。


る「僕はちゃんとしてます。んー、あれはちょっと難しいかも。」


『だよね、瑠夏もわかってくれるよね？よかった。』


る「あれは応用問題だからね。でもAは応用得意でしょ。」


『どういう意味よwそりゃ戦いはそういうの必要だからね。』


る「僕だって本当は弱いわけじゃないんだけど、Aには負けるよ。」


『まあ、瑠夏には発想の転換が必要だと思うよ。』


る「分かってるんだけどね。難しいもん、あの"ゲーム"」


ゲームというのは組同士の戦いのこと。この話を学校とか人前でしたいときに使う。


戦闘系ゲームの話っぽく話してるつもりなんだよ、一応。


そんな話をしていると、向かい側から歩いてきたおじさんにぶつかってしまった。


る「あ、すみません。」


？「いえ、こちらこそすみません。」


そう言っておじさんは去っていった。


『ねえ"るぅと"』


！Aがコードネームで呼ぶ時は何かあった時。合わせておいたほうがいい。


る「なに、アネモネ？」


『この話聞いたことある？』


え、嘘。僕、盗聴器付けられてる？


Aが「この話聞いたことある？」って言ったら盗聴器付けられてるっていう隠語。


る「どんな話？」


これはどこに付いてる？ってこと。


『思い出せないわ、ごめん。』


取るよという合図。もうこれ以上は聞かれないように黙っとく。


多分これらの隠語はAにしか通じないと思う。


僕の通学バックの紐から小さい黒い物体を取ると思いっきり踏み潰すA。


そして近くを流れる用水路に投げ捨てる。


『多分大丈夫。』


る「ありがと、A。」

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