もちつ、もたれつ、ゆっくりと。 (ページ4)

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にやにやくすくすしーっ！ページ4

どんよりとした雲が空を覆い始めて、
ちょっと歩くスピードを上げたけど、
俺が目的地にたどり着くより早く、
雨雲に追いつかれた。

ひとまず、コンビニに避難。
陳列された雑誌の中に、馴染みの顔を見つける。

それとおんなじ顔が目の前を駆けていった。

「え、、。佐久間？」

正確にいうと、ガラス越し、
コンビニの駐車場を全力でへなちょこダッシュする
ピンク頭。

え、なんでなんでなんで。
こんな雨の中走ったら絶対風邪引くし、
大体走るの苦手だろお前。
え、こけてそう。駐車場なんて車来たら
危ないし、いや、普段から危なっかしいけど、
怪我とかには慎重だろお前。
ほんとになにごと？
なんでそんなことになった？

パニックパニックになった頭がとりあえず
下した判断は

「ビニール傘、2本で780円になります。
1000円お預かりします。袋はご利用ですか？」
「要らないです。おつりは募金で。」

それだけ言って傘掴んで入り口まで猛ダッシュ。
自動ドアで一瞬足止め食らうけど、
割りこむように身体を滑らせて傘開いて、
あいつの走ってった方をみる。
少し先に見える揺れるピンク髪。

俺があいつに足の速さで負けるわけない。