もちつ、もたれつ、ゆっくりと。 (ページ5)

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入り時間まで余裕があったから、
店舗限定のオリジナルステッカーを制覇すべく、
街をフラフラ歩いていたら、急に雨が降ってきた。

その雨から戦利品を守るために、
近くの木の下にお邪魔する。

ふぅ、一件落着。

「いつまで、降るんだろ。」
天気予報士の資格持ちの相棒にメールでも
しようかな、なんて企んでたら、

「くぅーん」

どこからかわんちゃんの鳴き声。

ぐるっと見回すと、

「わぁ！ちっちゃぁい、、
こんなとこにいたら、風邪ひいちゃうぞ？
ママはどったのー」
ちったい豆柴がこっちを見つめてたもんだから
わしわし撫でる。人見知りしない良い子だなぁ。

「どこ行くのー？」

抱っこしたら暴れるもんだから、
下ろしてみたら、そのままてくてく進み出した。

わんこのプリプリのお尻と嫁グッズを見比べて悩む。

追いかけた方がいいような、気が、、、あっ！

さっきまでてくてく歩いてた柴犬が急に
走り出す。その先には少し大きな柴犬。
親子の感動の再会！

、、、とはいかない。
いつの間にかザーザーと本格的に降り出した雨が
しぶきをあげて走るトラックの排気音が

それらノイズとなるすべてが

俺の叫びを消した。