救いの手 貴方sid ページ10
暗い、暗い闇の中で。
一筋の光が差しこむ。
『・・・・・んぅ?』
だんだん視界がはっきりしてきて、見えてきたのは
私が最後を迎えた洞窟。
『私・・・死んだはずじゃ・・・?』
すると脳裏に不思議な記憶が映し出された。
『これは・・・私?』
映し出されたのは倒れた「私」だった。
***
[おい!こんなところに小さな女の子がいるぞ!]
見知らぬ声が聞こえ、不気味に思い、
『だ、誰なの!?』
思わず記憶の中の声に問いかけてしまった。
[可愛そうになぁ・・・そうだ!俺達鬼火が乗り移ってやろうぜ!]
そこで記憶が途切れた。
『鬼・・・火が・・・?私の中に・・・?』
慌てて、手で体を触ってみる。
『!?!?』
驚いた。私の頭の上にはちょこんと2つの角が生えていた。
『私・・・鬼になったの!?』
つまり・・・また、白澤さんに会えるのかな!?
いや、行かないほうが良いかも・・・
だって、
鬼は忌み、嫌われる者だから。
どう優しく振る舞っても、酷い仕打ちを受けるから。
『・・・どうすれば良いの・・・?白澤様っ・・・!』
生き返ったけれど。
生き続ける手段が無い。
生きたい意味がない。
『また・・・死んじゃえば良いのかな・・・?』
洞窟の奥って、毒ヘビがいっぱいいるんだっけ。
楽になりたい。その一心で奥へ進む。
ポフッ!
『ひゃっ!?』
?「キャッ!?ごめんなさいね。」
『は、はい・・・ってえっ!?』
この洞窟の奥から人!?
どうしよう、怖がるよね・・・
?「貴方は・・・人間かしら?」
『へっ?えっと・・・その・・・』
?「どうしたの?」
『なっ、何を言っても驚きませんか・・・?』
怖がって逃げちゃうかもしれない。
でも、その声は安心するように優しくて。
この人なら・・・と思った。
?「ええ。大丈夫よ。」
『わっ、私っ・・・!』
?「・・・・・」
『おっ、お、お、鬼、なんですっ!!』
?「へ?今、何て?」
『鬼、ですっ!で、でも人を食べたりしません!!襲ったりしないので怖がらないで・・・!』
しばらくの沈黙の後、
?「フフッ・・・、そうね、鬼は人を食べないわよ。」
『分かってくれましたか!?』
?「ええ。でも、鬼ならこの世は住みにくいわよ?」
『この世・・・?』
?「ええ。私は、お香。貴方と同じ鬼で、あの世、地獄で働いているのよ?」
『ええっ!?!?』
不思議な出会いが、
また、私を救ってくれた。
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中一 - こんにちは!突然ですが、最高すぎません?あと、どうでも良いのですが紅葉というのが親友の名前でドキッ!!としました笑とても面白いデス!頑張ってください! (2020年10月6日 20時) (レス) id: a0aca43fd4 (このIDを非表示/違反報告)
秋奏(プロフ) - げんさん» コメントありがとうございます!!少しやりたい事があるので、よろしければ本編の「紅葉ちゃんの部屋」を追加するので、見てみてください!! (2018年8月24日 18時) (レス) id: b58bbc3f7f (このIDを非表示/違反報告)
秋奏(プロフ) - 饅頭さん» 返信遅れてすいません!!そして、コメントくれる貴方が神だ。(真顔)ありがとうございます!! (2018年8月24日 18時) (レス) id: b58bbc3f7f (このIDを非表示/違反報告)
げん - あぁ、最高です!とっても話が面白いです!紅葉ちゃん見たいなキャラクターも意外と好きなんですよね...大体後から...ふふふ...とっても面白いです!最新頑張ってください! (2018年8月24日 0時) (レス) id: 4ebb2978ac (このIDを非表示/違反報告)
饅頭 - 神ですね。あ、神様がここにいますよ〜 (2018年8月22日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋奏 | 作成日時:2018年5月27日 15時