検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:43,248 hit

また、どこかで。 貴方sid ページ9

『最後に会えて、良かった・・・』

そう、私は今日でこの世からいなくなる。

私達の住んでいる山には、神様がいると言い伝えられている。

そして、その神様に毎年いけにえを捧げるのがしきたり。

毎回、いけにえに選ばれるのは大体養子や孤児。

今年は、私の番だった。

『そろそろ、行こうかな・・・』

用意されていた衣装に着替え、山道へ向かった。

いけにえの儀式は山頂にある大きな洞窟に行くところから始まる。

村の人が二人、同行者になった。

『よろしくお願いします。』

村の人は私を見もせず、スタスタと歩き始めた。

私も後についていく。

無言で、無表情で。

怖くないと言ったら嘘になるけれど、自然と前を向くことができた。

しばらく歩き、目的の洞窟に着いた。

「入れ。」

ここでやっと一人が私に言葉を発した。

『はい。』

「これを、飲め。」

そう言ってもう一人が私に瓶を手渡した。

・・・毒か。すぐわかった。

まず、色がまさに毒という濃い緑色をしていて、ひどい臭いもする。

私は目を閉じて、深呼吸し、

『さようなら、白澤様。』

そう小さくつぶやいて、瓶の中身を飲み干した。

『・・・う“ぁっ』

予想通り、毒だった。

喉が焼けるように熱い。

『がはっ・・・!はぁ・・・はぁ・・・』

血を吐いたらしい。私の手は真っ赤に染まっていた。

『っ・・・ぁ・・・』

意識がどんどん無くなっていく。

『は・・・くたく・・・さま・・・』

視界が暗くなる。

体の感覚が無くなっていく。

最後の力をふりしぼって、言葉をつむぐ。

私に優しくしてくれたあの人へ。

『また・・・どこかで・・・』

私は、永遠の眠りについた。




白澤sid

Aがいない。

あの日から、全く川に来なくなった。

白「また、一人かぁ・・・」

せっかく、会えたんだけどな・・・

でも、「いままで」って言葉がやけに引っ掛かる。

まるで、「さようなら」のかわりみたいだな・・・って。

もう、自分は永遠にここに来ないって言っているように思えて。

白「だけど・・・」

僕は、まだAと居たかったな。

救いの手 貴方sid→←神獣の迷い 白澤sid



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:鬼灯の冷徹 , 鬼灯 , 白澤   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

中一 - こんにちは!突然ですが、最高すぎません?あと、どうでも良いのですが紅葉というのが親友の名前でドキッ!!としました笑とても面白いデス!頑張ってください! (2020年10月6日 20時) (レス) id: a0aca43fd4 (このIDを非表示/違反報告)
秋奏(プロフ) - げんさん» コメントありがとうございます!!少しやりたい事があるので、よろしければ本編の「紅葉ちゃんの部屋」を追加するので、見てみてください!! (2018年8月24日 18時) (レス) id: b58bbc3f7f (このIDを非表示/違反報告)
秋奏(プロフ) - 饅頭さん» 返信遅れてすいません!!そして、コメントくれる貴方が神だ。(真顔)ありがとうございます!! (2018年8月24日 18時) (レス) id: b58bbc3f7f (このIDを非表示/違反報告)
げん - あぁ、最高です!とっても話が面白いです!紅葉ちゃん見たいなキャラクターも意外と好きなんですよね...大体後から...ふふふ...とっても面白いです!最新頑張ってください! (2018年8月24日 0時) (レス) id: 4ebb2978ac (このIDを非表示/違反報告)
饅頭 - 神ですね。あ、神様がここにいますよ〜 (2018年8月22日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:秋奏 | 作成日時:2018年5月27日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。