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悲しみと涙の海 ページ7

「ッ……なん、で………信じられない……」



不死川さんの妙に冷静な声色に、現実なのだということを突き付けられた私の視界は次第にぼやけていき、小さな雫がぽたぽたとこぼれ落ちた。


煉獄さん。

たまに会う機会があったときには、いつも笑顔で私に声をかけてくれた人。

美味しそうにご飯を食べる私の頭を、微笑ましそうに見つめながら撫でてくれた人。

不思議と元気が湧くような、心地の良い声で話す人。


彼の纏う、熱く、そして優しい雰囲気が、私は大好きだった。




「こんな、簡単に…人って死んじゃうんだ……柱で、さえもッ」


嗚咽を漏らしながら言葉を漏らす私の背を、不死川さんは優しくさする。

その温かさに、また涙が溢れる。



「……鬼は、俺が必ずこの世から滅殺する」



強く芯のある彼の声。

けれど、それはどこか震えているようにも感じた。
彼だってきっと、悔しくて辛くて仕方ないはずなのに。


私に優しくしている余裕なんて、ないはずなのに。




「っ、やだ……!!」

「なっ、オイ…!」



あまりの悲しみに打ちのめされてしまった私は、頭がどうかしてしまったのか、不死川さんに縋るように抱き着いてしまった。



「やだ!もう戦わないで!!嫌だよ……煉獄さんでさえ、死んじゃったんだよ……?不死川さんだって、いつ死ぬかッ、もしかしたら、明日……!!」


不死川さんの胸元に顔を埋め、幼い子供のように泣きじゃくる私。


羞恥などという感情は、どこにもなかった。

あるのは悲しみだけ。



「私にはもう、貴方しかいないの……私の生きがいは貴方だから……!死んじゃやだぁ!!」


彼が死ぬなんて、考えただけで気が狂ってしまいそうだ。




「……死なねェよ」



深い悲しみに落ちた私を、不死川さんはゆっくりと抱きしめ返す。




「俺は死なねェ。……これ以上大事な奴を失わない為にも、俺は戦う」




耳にかかる彼の吐息と、柔らかく静かな声。


死なない確証などないのに、私は彼のその声に簡単に絆され、酷く安心してしまった。




「……絶対、死なないで」

「……あァ」



まだまだ涙が止まらない私を、今度はぎゅっと強く抱きしめる不死川さん。

陽だまりのような彼の体温に、私はそっと目を閉じる。



すっかり安心してしまった私は、彼に抱き着いたまま眠りについた。








「…………A」



















自身の唇に柔らかい何かが触れる、その直前に。

そして知る→←嘘



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:恋愛
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よっしー(プロフ) - 一気読みしましたー!ほんと、衝撃です(・・;)続きが気になるー!更新楽しみにしてます! (2022年12月29日 6時) (レス) id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
- お願いだから更新してくれ、、ああああああ (2022年10月12日 1時) (レス) @page17 id: e139e91a91 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - Riku__1031さん» お待たせしてしまい申し訳ありません〜!本日更新いたしました!これからも読んでいただけたら嬉しいです! (2022年8月14日 23時) (レス) id: 543e532459 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 亜夜音さん» コメントありがとうございます!衝撃を与えられて嬉しいです〜!これからも頑張ります😊 (2022年8月14日 23時) (レス) id: 543e532459 (このIDを非表示/違反報告)
Riku__1031(プロフ) - 更新待ってます〜(;_;) (2022年8月13日 10時) (レス) @page16 id: cd9f4160d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月 | 作成日時:2022年7月4日 19時

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