第46話 ページ48
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暑い、重い、痛い
重い...痛い
暑い
痛い
「...ぃたい」
目が覚めた
ここは...師範の家か
見慣れた天井、首だけ動かして周りを見てもここは師範の家で私に宛てがわれた部屋だということが分かる
家具は一切なく、あっても机のみのこの味気ない部屋に寝ていることを再確認した
それにしても身体が暑い。おそらく熱でも出してしまったんだろう
汗を拭こうとゆっくり上半身を起こしていくと太腿辺りに何かが乗っている感覚があった
まだ熱でぼやけている目をなんとかこじ開けてみる
黒い....人か?黒髪、の....誰だ?
なんとか顔を確かめようとするとそれは急に動き始めた
「...んぅ....スゥ...」
どうやら寝返りを打ったらしいその人は獪岳だった。何故ここにいるのかはわからないが獪岳は私の布団の横で覆い被さるように寝ている
器用なことに胡座をかきながら寝ていたようだ。人の頭は重いから寝たらそのまま前に倒れたんだろう
通りで重いはずだ。と、思いながら獪岳の横に目が移る
そこには水が張られている桶と手拭い、そして薬と湯のみが置いてあった
それを見て獪岳が看病してくれたのだと一瞬にして察した私
「!!...ふふっ」
思わず溢れた笑いは誰に聞かれることも無く部屋に消えていく
寝返りを打った顔もそうだが、思わず頬が緩んでしまうほど嬉しかったし、弟弟子がとてつもなく可愛かった
まだ毒が抜けきっていない若干痺れる右手を伸ばし獪岳の頭をひと撫でする。癖毛の獪岳の髪は柔らかくて撫で心地がよかったのでつい撫で続けてしまった
それにしてもこうやって獪岳の頭を撫でるのは初めてかもしれない。修行の時も触るなと言われていた分、こういう無防備で何も言わない状態を前にすると手は中々離れなかった
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戦力外(プロフ) - 甘音 舞影さん» ご指摘ありがとうございます! (2020年2月28日 14時) (レス) id: dcb72e1adc (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - プロローグの金臭い血の匂いは鉄ではないですか?いきなりすみません (2020年2月27日 22時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:戦力外 | 作成日時:2019年8月13日 0時