日常風景 ページ16
2人の少年が俺に背を向けて前に立った
そして相変わらず口喧嘩を続けている
たが、その姿はどことなく完璧を感じさせた
中原から俺たち3人がポートマフィアに入った時期が近いと言っていた
だったら何故、
どうして俺だけこんなにダメなのだろうか
前に立つ2人に憧れと共に醜い感情を抱いてしまう自分が1番醜い
俺がそんな事を思っているとも知らずに2人は
「邪魔になるから邪魔にならないところにいてよね」
「危ないから入ってくるなよ」
と言って堂々と倉庫の中に入って行った
どうしたらそんなに自信を持てるのだろうか
こんな事考えても変わらないことぐらいわかっているのだが、動き出した思考は止まる事を知らない。
そしてマイナスへと進んでいく
倉庫の中から聞こえる銃声も何かが落ちる音もよく聞こえてくる
思考を巡らせながら念の為物陰に隠れていると俺に影がかかった
反射的に上を見上げると、体の至る所から鮮血を流している男が屋根から落ちてきていた
男の体は俺の数歩さきに鈍い音を立てて落ちた
そしてじわじわと血が広がっていき、ついに瞳から光が消えた
なくなったのだ
見たくないはずなのに何故か視線が晒せない
止まる事を知らない血液、光を失った虚な瞳
唇を赤く染め上げる赤、だんだんと白くなっていく肌
この景色が日常になってしまうのだろうか
こんなものを見て日々を送らないといけなくなってしまうのだろうか
そして、いつか俺もこうなってしまう日が来るのだろうか
「A、帰るぞ」
とんっと肩に手を置かれ、ビクッと肩が跳ねる
手を置いたのは中原だった
俺は無言で頷く
「ねぇ、なんでこんなの見てたの？」
無神経に問う太宰
「わかんない」
するりと俺の口から出た言葉はどうやら本心だったらしい
喉につっかえることなく出た
「そ、」
それだけ言って太宰は歩き出した
それに俺も中原も続く
しばらく歩いているとまた2人が口喧嘩を始めた
内容を少し聞いてみれば馬鹿とか阿保とか語彙力のない悪口だった
内容のしょうもなさに少しため息をつくと太宰が突然こちらを向いた
そして、言った
「マフィアを抜ける事はできないからね」
その言葉を聞いてしまったから俺の中からマフィアを辞めるという選択肢が消えたんだと思う
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万年ぼっち(プロフ) - 12番さん» 嬉しすぎます！！受験終わったらじゃんじゃか更新していきますね！ (3月4日 17時) (
レス) id: a04476b398 (このIDを非表示/違反報告)
12番 - 僕このお話大好きです！気長に更新待ってます(*^^*) (1月28日 23時) (レス) id: 6b437022f9 (このIDを非表示/違反報告)
万年ぼっち(プロフ) - lokilokiさん» 気に入っていただけてとても嬉しいです！削除の仕方まで丁寧に教えていただき助かります！ (12月29日 13時) (レス) id: a04476b398 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月25日 23時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：万年ぼっち | 作成日時：2023年12月25日 21時
