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この電話番号は、現在______ ページ45

*





思えば、彼と私は、間違い電話をかける、かけられるのくだらない事故から始まったことになる


本当、笑っちゃうくらいおかしな出会いだけど、


なんとなく、私達らしいな、と思った




そんな私達といえば_____






*




prrrrr______!




着信音が鳴り響き、私は電話に出た





『……はい、もしもし』


「今仕事が終わった。手前今何処にいる」



電話の向こうから、中也さんの声





晴れて私の恋は成就したわけだが、私達はこの通り。……全くもっていつも通りである






『えぇっと……今、喫茶店です』


「ってことはもしかして…」




と、


私の携帯が横から伸びてきた手に奪われた。





「やあ、中也!」


「やっぱり太宰かよ…」


「いやぁ。た、ま、た、ま、Aちゃんに会ったものだから〜」


いやいや、嘘つけ。




そう思いながら、太宰さんに視線を送ると、彼はニヤニヤと笑みを浮かべて、携帯を私の耳に近づけた





「_____巫山戯んな。俺の女(、、、)に手ぇ出すんじゃねぇぞ」





彼のその言葉は、私の耳に嫌というほどしっかり届いていた


太宰さんは楽しそうに笑う




「だってよ」



『お、…お……俺の……』


自然と顔に熱が集まっていくのがわかった







_____私と彼との関係性で変わった事があるとすれば、一つ。







…たまにくるこのど直球加減に、早くも私の心臓は限界を迎えそうである





『中也さん…やめてください…』

「あ?何をだよ?」



しかも無自覚。タチ悪い



私は溜め息をついた





『〜っ!と、ともかく、帰りますから!』


「ん?おう」





きょとんとした彼の声が聞こえて、『まったく…』と思うのと同時に思わず頰が緩み、私は立ち上がった



太宰さんに一声かけ、お会計を済ませてから、扉を開く




柔らかな風が私の頰を撫でていった









*








_____電話は、嫌いじゃない。


今は何故か、どうしても嫌いになれない。





このちっぽけで五月蝿い電子機器は、私にとって宝物であり、かけがえのないものなのだ。








*




電話から、声が聞こえる






「なるべく早く帰って来いよ」


『うん、わかってます。』






私は帰る




今日も、貴方の元へ_____








【終わり】

あとがき→←42コール 真っ直ぐな気持ち



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水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
- もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
- 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年2月1日 19時

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