間違い電話がかかってきた【文スト】

22コール 一応レディなんです ページ24

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「おい手前、今何処にいやがる」



太宰さんに断って電話に出ると、聞こえてきたのは、それはそれは不機嫌な声だった




『何処って…ええと…』



私は美味そうに日本酒をのんでいる太宰さんを見た



『うーん……』



はて、この状況をどう説明したものか…





と、私が迷っているうちに、相手は痺れを切らしてしまったようで、

彼は少しだけ苛立ったような口調で私に云った




「とっとと帰ってきやがれ」



さっきの台詞といい、今の台詞といい……数週間前にも聞いた気がするな




でも今回は…



『あの…』


「あ？」


『＿鍵、持っていますよね？』




数週間前とは違って、合鍵はこの前ちゃんと渡した筈である




「ああ。それがどうした？」


彼がきょとんとして聞いた




『じゃ、じゃあ、私を呼ぶ必要性って……その…私も後でちゃんと帰りますし…』



すると、彼は漸く私の云わんとする事を理解したらしい

「あー…」と電話越しに少し困ったような声が聞こえた






「ええと………鍵、本部に忘れてきた」




……マフィアがそんなセキュリティガバガバで大丈夫なのか





少し心配になったが、どうやらこれで、私は帰らないといけなくなったらしい

仕方がない




『…わかりました。今行きます…』


「手前、鈍間(ノロマ)だからな…。いいか。なるたけ早く来い。」



そう声が聞こえて、またもや理不尽に電話が切られた


私は溜め息とともに今一度その画面を眺める






『………』




“鈍間”って。女性(レディ)(？)に向かって失礼な





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