私の宝物 (ページ26)

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夢を見たのページ26

フッと意識が浮上する。揺れている。まだ列車なのだろうか。けれど、音がなくて何故か暖かい。

暖かい？

「…あ…れ…？」

「あ、A起きた？」

アルの声が聞こえた。

「…あ…る…？」

「あれ、まだ寝惚けてる？」

あはは、と笑うアルにだんだんと意識が浮上してくる。

「……起きたか。」

耳元で、聞こえた声。

…？…あれ…コレは…

「………！？」

「うお！？いきなり動くな！」

「ご、ごめんなさい…？え…あれ？」

なんでエドワードくんに背負われてるの！？

「A列車で寝ちゃって、よく眠ってたから兄さんにおぶってもらったんだよ。」

「…！？え！？あの…え？」

起こすとかはなかったの！？一瞬で眠気が吹き飛んだ。

「…もう歩けるか？」

エドワードくんの声にハッとする。

「あっ、はい。ごめんなさい…」

そして、ゆっくりと降ろしてもらう。

「…A、凄くよく眠ってたけど…」

アルが声掛けてくる。

「…夢、見てたの。」

「夢？」

「…うん。…幸せな、夢だった…と思う。」

きっと、幸せな夢だと思う。

だって大好きな人達と夢でも会えたのだから。

覚めた今は、寂しいものだけれど。

それに最後に見えたモノは

更に自分のことを"自覚"させてくれた。

俯いてる私に２人は不思議な表情をしていた。

「…覚えてないの？」

その問いにはへらり、と笑っておく。

ゴメンね、答えられないや。