私の宝物 (ページ21)

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よろしくねページ21

駅へと着くと彼がいた。

「兄さん、A連れてきたよ。」

アルが彼に声をかけた。彼はこちらを見て

「アル。遅せぇよ。」

「まだ時間は大丈夫でしょ？」

「ったく…」

「…ごめんなさい。」

彼は怒っているのか、そう思って謝ればアルが慌てた。

「Aは悪くないよ！もう兄さん！！」

ぷりぷり怒るアルに彼は鬱陶しげに片目を閉じた。その反応に心の奥でツキン、と痛むのを無視して

「…いいの、アル。私が居ること…本当は嫌だったんだと思うの…無理やり付いてきて、ゴメンなさい。」

アルもゴメンね、と言えば

「A…」

何も言い返せない様子のアル。優しいなぁ。

「……時間だ。」

そう呟いた彼は動き出した。

やっぱり彼は

私を見てくれない。

「……A行こう。列車の中で色々話そう？」

アルの優しさが、辛い。

「…うん。」

あれ…

私は、どうやって笑っていたんだろう？