私の宝物 (ページ18)

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２人の兄弟錬金術師ページ18

「変えたいとは、思うけど……私はどうしたらいいのか…分からない。」

ここは私の知ってる所ではないのだ。だから、どうしたらいいのか分からない。

「……A…」

リザさんにそっと抱きしめられる。

「……ねぇ、リザさん。私……私は、誰だろうね…？」

「AはAよ。大丈夫。」

私は、今までボスの為に生きてきたから…離れた私は…？

何のために生きたらいい？

「……兄さん。」

「……でも危ねぇだろ。」

エルリック兄弟からは主語がない状態の会話が聞こえる。

「…鋼の。」

今まで黙っていたマスタングさんが彼を呼ぶ。

「連れて行ってあげたらどうだ？」

「なっ！？」

「大佐！！」

驚くのは私だ。マスタングさんは私を怪しんでいたはずだ。それなのに彼らの旅に同行しろと？

「……しゃーねぇ。」

ぐぬぬ、と悩んだ末に彼はそう言った。

「エドワード君！？」

リザさんだけ、納得いかないらしい。

「連れて行ったら、記憶、思い出す可能性が高いだろ？そういうことだろぉ？大佐？」

にこり、と笑うマスタングさんは無言で肯定したようだった。

「…ですが！この子は女の子です！」

「…鋼のは、国家錬金術師だよ、中尉。その弟もまた、錬金術師だ。それだけでも充分だと思うが？」