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「…話して、くれるかい？」
そう尋ねるイゾウにAは答えようとするのだが、どうにも死鬼がAを阻むのだ。
死鬼が、Aを敵だと判断した。
死鬼が、Aと目が合った。
「…っ！…」
Aは息を呑み、泣いている暇がないと気を引き締めた。今は大好きな2人の家族を護らないと、その思いがAの中に広がって慌ててイゾウから降ろしてもらう。
訝しげな２人からの視線を受けつつ、死鬼から目を逸らさないでいると
ざわり、と妖気が部屋を埋め尽くした。その途端に白ひげとイゾウは背筋が凍り、動けなくなったことに気が付いた。
しかし。
「…だめ。」
ぱちん、と拍手を打つ。それだけでも少しは妖気を跳ね除けられた。それで多少マシになった白ひげとイゾウはその時に気が付いた。
黒い靄が部屋にいることを。
その黒い靄は、何かがおかしいことを。
「…とうさまをつれていかせない。」
ザワザワと黒い靄は白ひげへとさらに近づこうとする。まるで早く連れて行こうとするように。
「…ごめんなさい、いぞう、とうさま。」
Aはそれだけをぽつりと呟いて、印を結んだ。
「おん びやん しゃらくたん！」
ぶわりとAの霊力が充満する。そのまま空に五芒星を描き
「のぞめるつわもの たたかうもの みなじんやぶれてまえにあり！」
詠唱を唱えれば黒い靄はその途端にパッと散って消えてしまった。それを見届けたが、Aは死鬼が居たところを見据えたまま、
「…つれて、いかせない。わたしが、こんどはまもるの。」
そう言葉にした。
−−−−安倍家は護る者なのよ
少し前に聞いた姉の言葉がAの頭をよぎり、背を押した。
(安倍家の生業は昔から変わらない)
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うさな - 面白かったです!めっちゃ続き気になるー！！更新頑張ってください! (4月28日 14時) (
レス) @page40 id: 8b6881ee90 (このIDを非表示/違反報告)
麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
