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23、見落とした…… ページ24

その後の日程は夜遅くまで街の情報収集とモリスンの手記の解読に費やされた。

だがそれは全て無駄だったと言っても過言ではないほど何もなかった。

通りに住んでいる知人と言う知人を訪ね、知っている場所や死体を隠せそうな場所を調べに調べ、挙げ句の果てに自分達が潰したあの研究所の跡にまで足を運んだが情報はゼロ。

研究所跡にいたっては、炭鉱事態が崩れていたために入ることもできなかったが……。

そして驚くべき事に、ぼんやり煙草を吹かしながら歩き回って朝を迎えてしまったのだ。

ずっと気にせずに咥えていた煙草は既に火が消えてネジ曲がっている。

「まさか、1日中歩き回ってここまで何もないとはな。」

一番の情報源になると考えたあの研究所は、その情報を持ったまま爆破で粉々に。分かったことは異形の構造ぐらいだ。

あと強いて気になる事と言えば……。

「…神の一部を使って神を作る。その目星は既に付いている…。」

隣を並んで歩いていたコトがポツリと呟いた。どうやら同じ事を考えていたようだ。

研究所にいた男は神の一部を使って神を作ると言っていっていた。そして、その神の目星も付いているとも。

だが、この世にいない者をどうやって回収するのだろうか。仮に神が居ると仮定して、ハザマでも倒すことができたあの異形が、神を捕まえる事など出来るのだろうか。

「……あ。」

「…どうか、した?」

そこまで考えた時に、突然情報の宛がありそうな場所を一ヶ所思い出したのだ。

その場所に捜査に行ったのは、確かあの日以来だったはずだ。

「コト、ハリストロ倉庫郡に行くぞ。」

「ハリストロ倉庫郡って…あの?」

ハリストロ倉庫郡。最初に調査した時に、リチャード・D・モリスンの変異死体と手記を見つけた場所だ。

ーーーーーーーー

しばらくして、ジャルドーレ通りの外れにあるハリストロ倉庫郡に到着した。

倉庫はハザマが捜査してからまだ誰も来ていないらしく、ハザマが壊した錠前もそのままだった。

傷んで苔が生えた木製のドアを勢いよく開ける。

中も全て捜査した時のまま変わっていなかった。

……ただ一点を除いては。

「「……!?」」

万一人が来ないようにハザマが勢いよく扉を締め、コトがホルスターから二丁の銃を取り出す。

倉庫の中に、明らかに人ではない「何か」がいた。

例えるならまさに動く「泥」。もしくは「カビ」。

どろどろとした異形が地面から這い出してきた。

「……新型か。行くぞコト!」

「…了解」

24、カビと泥と銃弾と→←22、一からの



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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時

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