今だけ、もっと。 (ページ8)

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「分かった、ここにいる。」

なんとか平然を装って、
理性をつぎとめながら息を軽くすった。

またおでこに当てた俺の手に安心したのか、
北山はまた気持ちよさそうに目を閉じる。

きつすぎる········

北山は多分、高熱すぎて思考が回っていないのだろう。
でもそれがまた俺には厳しすぎて、

俺北山に振り回されてる·······

なにも悪意がなく
自然とそんなことをしている北山のすやすやと眠っている顔を見て何も言えなくなった。

あともう少しで理性がきれる。
そしたら多分、北山のことめちゃくちゃにする。

だから、これ以上煽らないで·····

心の中でこっそり願って、

自分でもう1度ほっぺを叩いた。

.

.

.

「······あれ、今何時だ？」

ふと目を覚ましてスマホの電源を付けると
“ 9時 ” と表示される画面。

·······やべ、寝ちゃってた。

ずっと起きて看病したかったぐらいなんだけど、

あの後、氷枕に変えたり、

こっそり果物を切りに行ったり、

色々しているうちに疲れが溜まっていた俺は寝落ちしてしまったらしい。

「あれっ、ふじがや·····っ？」

「おはよ。」

目を覚ましたらしい北山はむくっと起きて、
俺の近くにちょこんと座った。

それだけだもう朝からドキドキしてて、
この後やっていけるか心配。

「まだしんどい？」

「·····いっぱい寝れたからちょっとましになったかな···」

北山の言う通り、熱を測ってみると

37.6度にまで下がってた。

「って言ってもまだ熱はあるんだし、
無理しないで休んでてね？」

「うん·····」

そう言うと北山は、
ちゃんとまた布団の中に潜り込んだ。

「なんかしてほしいことある？」

素直になって欲しいなって、
そう聞いてみると、

「おかゆ······っ、

「え？」

「おかゆ、食いたい······」

恥ずかしそうに北山は頼んできた。