ずっと探していたもの。 (ページ7)

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episode6 ページ7

貴方side

それからというもの、そのお客さまはよく来てくれる

毎回コーヒーを頼んで読書をしている

『いらっしゃいませ。あ、いつも
ありがとうございます』

「また来ました笑端の席いいですか？」

『はい。コーヒーですよね？』

「そうです」

そう言って少し照れくさそうに笑う

『すぐにお持ちしますね』

常連さんといっても、そんなに話すわけではない

毎回軽く挨拶をしてメニューを聞き、席に案内するだけ

本当にそれだけ…たったそれだけのことに

どうしてこんなにも心が満たされるのか

今まで感じたことのない感覚

沢山お話して、もっと知りたいけど私は仕事を
しているわけで。

それにお客さまのプライベートに、ただのカフェの店員が
ずかずかと踏み込むのも良くないし

まあ、結局は話しかける勇気がないだけのこと。