君と描きたい未来がある (ページ11)

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episode９★｡.* ページ11

廣瀬side

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廣｢え…いいよそんな。霧野くんの家、この辺でしょ？｣

霧｢帰り、電車か？｣

廣｢ううん、帰りは歩きのつもりだったけど…｣

霧｢じゃあ尚更だ。これからもっと暗くなるってのに、女の子1人で帰せないよ。それに、俺もまだ動き足りないしさ。｣

そう言って、霧野くんは軽く伸びをした。

廣｢……分かった。ありがとう。｣

彼の優しさにときめくのではなく、私はただ単純にすごいと思った。

おそらく彼に下心はない。｢危険だ｣とそう思っただけなのだろう。

…誰かにこんな扱いを受けたのは、いつぶりだろうか。

胸がきゅっと締め付けられた。

霧｢なぁ廣瀬、次の日曜空いてたりするか？｣

廣｢日曜？確か午後はバイトだったかな…なんで？｣

霧｢いや、予定ないなら部活の試合でも見にこないかなって思ってさ。｣

廣｢試合って、1日？｣

霧｢？そうだよ。｣

廣｢じゃあ、午前中行けたら見に行くよ。｣

霧｢ほんとか？やったっ。｣

霧野くんは、あの時のようににひっと笑う。

その笑顔につられて、私もつい笑ってしまった。