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９ 風に消される程の小さい声。 ページ11
｢とにかく、もっと自分の体、大事にしろよ！｣
翔は、溜め息混じりに言う
｢何で？｣
分からない
｢私なんか、必要としてる人居ないよ。だから、私が傷つこうが傷つかないが、どうでもいいんだよ｣
そう
私は本当に、必要とされてない
誰からも
それはまぁ、
どうでもいいって
私は一人でも大丈夫って
本当は言いたいけど
こんな私でも
悲しい訳であって
｢結局のところ、私が死んでも、誰も悲しまないんだよ｣
私は少し鼻声で言う
視界が、ぼやける
悲しいくせに、
自分で言って、悲しむくせに、
そういう考えしか、浮かばない
駄目だ、私
本当に私、馬鹿だな
｢………………俺は、悲しむ｣
それは、風に消される程の、小さい声だった
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作者名：ユイカ | 作成日時：2014年4月12日 21時
