その溺愛は知っている

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『それでは、ルールを説明します！制限時間内に、この焼き鳥を何本食べられたかで競います！一本勝負ですので、皆さん張り切ってくださいね！それでは、スタート！』

「いっただっきまーす！！」
香苗はいつものようにパチンと手を合わせ、焼き鳥にかぶりつく。
その顔は、もう最高っ！と物語っていた。

…ていうか、香苗、食べるの早くない…？

1本食べるのに、約５秒…。
しかも、次から次へと皿に手を伸ばすもんだから、３０秒もすると、
「おかわりっ！」
と嬉しそうに叫ぶ。

…これ、本当に優勝出来ちゃうかも？

「桜木の胃袋って、どうなってんだろ…」
小塚くんがやや呆れ気味で香苗を見上げる。
「さっき、焼きそばと綿あめとかき氷食ってたよな…」
あの黒木くんでさえ…。

「おかわりっ！おかわりっ！おかわりぃっ！」
十分ぐらいすると、周りの大人はペースが落ち始める。
そんな中、香苗はペースを落とさずに食べていった。

「おかわりっ！」
「もう用意していた分がありませんっ！」

『なぁんと！赤髪浴衣美人ちゃんによって、用意していた焼き鳥がなくなってしまいました！赤髪浴衣美人ちゃんが食べた焼き鳥は、実に１０８本！よって、赤髪浴衣美人ちゃんが優勝です！！』

香苗、凄いっ！

「あいつ、腹どうなってんだ…」
「絶対勝てねえ…」
「１０８本って、ヤバすぎでしょ」

上杉くん、若武、翼も、既に呆れ顔。

「皆ぁー、タダ券もらったよー！食べに行こーっ！」

「「「「「「まだ食べるの！？」」」」」」

香苗の食欲を知った、お祭りでした…。

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