その溺愛は知っている

story26 ページ28

彩side

えっと…その溺愛は知っている、で香苗sideじゃないのは初めてだね。

今回は、香苗sideにはできなかったんだ。

何故って、香苗は、ハイテンションな関西弁のお姉さんたちに、試着室に放り込まれてしまったから。

香苗、ごめん…。

『えー香苗ちゃん、結構胸あるやないのー』

ブッ！！

試着室から聞こえた言葉に、上杉くんと若武が吹き出す。
小塚くんは顔真っ赤。

『結構スタイルいいなぁ、うらやましいわぁ』
『はっ！？えっ、ちょっ、どこ触っ』
『香苗ちゃん綺麗な髪やなぁ』
『顔も美人さんやしー』
『えっ、はっ、ちょっ、待っ』

『うわあああああああああ！！！？？？』

シーン…。

えっと…香苗、本当ごめん…。

ー１０分後ー

「…」
「えっと…香苗？」
「…」

反応なし。
死んだ魚みたいな目をしてる、香苗。

だけど、すっごく可愛かった！
香苗って、いつも行動ぶっ飛んでるからわかんないけど、←失礼。結構美人だよね！

「か、可愛いよ、香苗！」
「ｳﾝ､ｱﾘｶﾞﾄｰ」

あ、ダメだこれ…。

「に、似合ってるぞ！」
「い、いんじゃね？」
「うんうん！いいと思う！」
「勇者様も、お美しいですよ」
「似合ってると思うよ」

「あのなああああ！お前らのせいで、私がどんな目に合ったかわかるかああああ！！？？」

「…え、香苗、何があったの？」

「言いたくない」

何があったかは、不明です。

story27→←story25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す