その溺愛は知っているpart2

story52 ページ8

「香苗…これ、誰…？」

眠たそうな目をした人が、私たちを指さす。

「え？この子はね、我が愛しのマイエンジェルアーヤだy」

「言い方を…変える。この、小さい男の子、誰…？」

「若武和臣っていう野郎だよ。そのいけ好かないメガネが上杉和典。おっとりした癒し系が小塚和彦で、長身が黒木貴和。イケメンが美門翼ね。」

だいぶ大雑把な紹介だなあ…。

「俺は五十香瑠衣。こいつらの保護者だ。」

「保護者じゃないだろ？俺は朝香蘭。よろしくね。」

「俺は香坂燐。こいつは浅香保蓮だ。」

瑠衣くん蘭くん燐くん蓮くん…だね。

「で、君たちはどういう関係？」

「そっちこそ、どういう関係なんだ？"うちの"香苗と知り合いみたいだが？」

「…"うちの"香苗は探偵チームに入ってるんだ。」

「探偵チーム？ガキのお遊びか？ま、このバカにはピッタリだがな。」

「バカですってぇ！？」

瑠衣くんと黒木くんが睨み合う。

何やら不穏な空気…(香苗を除いて)

「悪いが"うちの"香苗は先約があるんだ。お先に失礼するよ。」

蘭くんがにこやかに香苗を引っ張る。

「…僕、こういうの嫌い。」

「なんか変な戦いは放っとけばいいからさ、小塚、彩、蓮！行こっ！」

え、この戦いの火種って、香苗じゃないの…？

「おいデブ！お前はどっちに行くんだよ！」

「デブじゃねーってんだろチビ！えーでも曲の打ち合わせあるし、今日は瑠衣んちに泊まるんでしょ？」

「「「「「「曲？」」」」」


「私たち、これでもクラシックバンド組んでんだよ！」

「正確には、組んでいた、かな。」

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