はたち ページ21
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お昼ご飯が終わったあと、私は雪絵先生に促され、早くに布団に入った。
まだ心配だから、今日はもう寝てしまいなさい、と。
正直たくさん寝た後だから寝れる気がしなかったのだけれど、案外すんなりと寝ることが出来た。
──そして私は今、一面真っ暗な世界にいる。
これはきっと、夢なのだろう。ううん、きっとじゃなくて、絶対。
だって、眠った記憶があるのだから。
そんなことを考えながら突っ立っていると、目の前に何か不思議なものが現れた。
それはふよふよ危なっかしく揺れていて、風船のようにも、シャボン玉のようにも見える。
でも触れても割れないから、シャボン玉ではないのだろう。
それに、どこか灰色に濁っていて、シャボン玉のような透明感はなかった。
触り心地はゴムとかそういう人工的なものじゃなくて、ぷにぷにした……ゼリーのような、水のような、なんともいえない感じ。
その不思議なものは何個か浮かんできて、しばらく漂っていた。
私はそれをじいっと見つめて、観察する。
少しするとそれはどんどん多くなってきて、不思議な行動を取り始めた。
それは、まるで磁石のようにふらふらお互いに引き寄せられ、ぶつかっていく。
ぶつかった瞬間、ものすごい爆風と一緒に『それ』は弾けた。
「っ!」
私は弾けたそれを確認しようと、懸命に強風の中目を開こうとする。
なぜかはわからないけれど、『それ』は自分にとってとても大切なもののような気がしたから。
けれど私の願いも虚しく、それらはどんどんどんどん芋づる式に割れていく。
その度に私は強風に見舞われ、そして何故か愕然とした──『絶望』のような感情を感じた。
「──……」
やっと強風が収まり、目を開ける。
そして飛び込んできた景色に、私は目を
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麗夢 - 前見た時本当に感動してまた読みに来ました。私が知っている夢小説の中で1番大好きな作品です! (3月1日 23時) (レス) @page44 id: 6ebe956d7c (このIDを非表示/違反報告)
にっこり(プロフ) - 感動したやっぱりお父さんって大事だなぁ後光輝君もいいな! (2021年8月25日 7時) (レス) id: ec120adb39 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉(プロフ) - とても感動しました!!!!泣きながら読んでました!この作品に出会えて良かったです!ありがとうございました!!!! (2020年6月11日 0時) (レス) id: e2f068ce6d (このIDを非表示/違反報告)
芥川とミルクティ - 何度見ても泣きます。もう最後なんか、嗚咽が止まりません。本当に感動する素晴らしい作品です。作者様のとても美しい文章に惹き付けられます。 (2020年3月14日 20時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
哀駒(プロフ) - 完結おめでとうございます^^もう泣きすぎて明日目腫れそうです…w (2020年3月10日 22時) (レス) id: 677b3c59a5 (このIDを非表示/違反報告)
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