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「えっ？！」
立ち上がって、念のためもう一度カバンの中を探してみたけれどやっぱり鍵は見当たらない。
「ご両親は何時に帰ってくるの？」と心配そうな顔で聞いてくれる健人くん。
「実はハワイ旅行に行ってまして…」
「ええっ！！マジで？！」
「あっ！でも、大丈夫です！風磨に連絡して、帰ってくるまで風磨んとこに居ればどうにかなるし、本当に心配、」
健人くんに心配をかけるまい、と慌てて説明したら、ぐいっ、と力強く左手が引っ張られる。
健人くんの香りと体の熱が私にまで伝わって、そこで初めて、健人くんに抱きしめられていることを理解する。
「菊池んとこ行かないでよ」
「へ、」
心臓がうるさいくらいにドクドクと鳴り響いて、健人くんに聞こえてしまうんじゃないかって、心配になる。
「菊池の部屋は、ダメ」
「でも…そうじゃなきゃわたし、」
「俺の家来ればいいじゃん」
「…………」
▽
「シャワーはここね。パジャマはとりあえず俺の用意しておいたからこれ着て？タオルはここで、歯ブラシも新しいの引き出しに入ってるから使っていいよ。」
「はい…」
「他になんかわかんないことある？」
「ありません…」
「ん、それじゃごゆっくり」
一通り説明を終えると、ガラガラと洗面所の扉が閉められて健人くんはリビングへのほうへ歩いって行った。
何故こうなったのか。洗面所の鏡にうつった自分を見て問いかける。鍵を忘れて…家に入れなくて…そしたら健人くんが来て…抱きしめられて…そして今は健人くんのお家で…地獄の状況から、突然の幸せ過ぎる展開に頭がついていかない。
あの後、固まってしまった私の手を取って健人くんは私を部屋に連れて来てくれた。健人くんの住むマンションは大学生の一人暮らしにしては、少しお高めのような気がした。
服を脱いでバスルームに入ってとりあえず頭から冷たい水をかけてみた。
「つめた！」
それは当たり前に冷たくて、やっぱり夢じゃないということを私に教えてくれた。
「どうしよう、、」
体を洗いながら、どう頑張っても落ち着かない展開をどう過ごそうか、私は考えていた。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして！嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます！これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します！ (2019年5月3日 19時) (
レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゆ | 作成日時：2019年4月9日 22時
