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「お前、中島といい感じなの?」
休憩中、キッチンの中でお昼ご飯を食べていたら洗い物をしていた風磨が視線はお皿のまま、私に聞いてきた。
「わかんない…」
「そもそもなんで中島ん家泊まる事になったわけ?」
「お家の前で鍵ないって気付いて絶望してたら健人くんが来て、それでいつの間にか…」
「ふーん。ま、好きでもない女家に泊まらせたりしないだろうしいい感じなんじゃね」
「そうかな…風磨は私のこと好きでもないけど泊まらせてくれるじゃん」
「…お前が勝手に泊まってるだけな」
バカと話してると疲れるわー、なんて言いながら呆れ顔の風磨。またバカって言ったし。
「ふん、それならもう行かないよーだ」
「ああ、それがいいと思うよー。今後中島と付き合う事になったらアイツも良い気しないっしょ」
「風磨は幼馴染だもん、気にしないよ」
「それは、お前がな。世間一般から見たら普通じゃねんだよ。つーことだから、もう俺ん家泊まるのは禁止で」
「今までそんなこと、」
「あ、中島と喧嘩しても泣きついてくんなよーもうお前もいい加減幼馴染離れしてさ、大人になれよ」
「なんでそんな急に!」
「急に?前から思ってたけど、俺は」
「…もういい」
休憩時間はまだ残っていたし、ご飯だってまだ全部食べてなかった。だけど突き放すような風磨の態度に耐えられなくて私はキッチンを出てホールに戻った。キュッ、と気合を入れ直すようにエプロンを縛り直す。今まで風磨にあんなこと言われたことなかった。それなのに、なんで、って考えていたら「おかえり」とトンと肩に乗る暖かい手。
「戻るの早くない?まだ休憩時間あるでしょ」
「あ、えっと、健人くんがいるから早く戻りたくなっちゃって!」
「ふふっ、バイト終わっても一緒なのに」
「そうだけど、っ」
「Aちゃんから言ってきたのに照れるのはナシだよ。ほーんと、可愛い」
「だって!」
「あの〜バイト中イチャつくのやめてもらっていいですかねえ…?」
「あれ?伊野尾くん居たの?」
わいわい騒ぐいのちゃんと健人くんの隣でそれを見て私も一緒になって笑い合うけれど、どうしても、心に引っかかっている風磨の言葉。
「お前のせいだろ…」
だから、風磨がそんな事を呟いていたなんて、知るはずもない。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時