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「ねえねえみんなー!花火大会行かない?」
季節は、すっかり夏を迎えて学生達の大好きな夏休みがやってきた。
土曜日の夜、5人で集まったのは駅前のよく来るファミレス。
ドリンクバーのグラスを片手に、聡くんが「さんせーい!」と手を上げた。
「お前、中島のこと誘う勇気無いから俺ら巻き込んだだけだろ」
「…!!」
「それ私も思った」
「えっ、そういうこと…?」
風磨の言う通り、誘う勇気が無くて、5人なら行ってくれるかな?って提案してみたのは間違いでは無いけど、けど!5人で行ったらそれはそれで楽しいのもわかってる。
「そ、そんなことない!けど!5人でもいい!けどっ、2人、でも、」
健「あははっ、Aちゃん焦りすぎ」
ア「いいじゃんもう2人で行けば?」
「え、でも、」
「俺は2人でもいいよ?」
ニコ、って向かい側の席で笑う健人くんに「いいの…?」と確認すると、「俺はAちゃんと2人、楽しいよ」とこれまた夢みたいな言葉が降ってくる。
健「ふふっ、耳まで赤い」
風「はーいちょっと2人の世界入るのやめてもらっていいっすかー?」
聡「取り残された感じ…」
ア「本当それ」
「だ、だって!健人くんと2人で花火大会だよ?!どうしよう!夢かもしれない!ねえ!現実?!」
風「はいはい現実だよ良かったな」
聡「俺も行きたかったー」
ア「いーんじゃない?私らは3人で行けば」
花火大会、健人くん浴衣とか着るのかな。わたしも新しい浴衣買っちゃおうかな、髪の毛はアキちゃんにやってもらおう、あっ、その前に美容院予約、しとこうかな。
みんなが話している事なんて全く聞こえてこなくて、私は来週の花火大会のことで頭がいっぱい。色々考えていたら、隣に座っていた風磨にぎゅっ、とほっぺたをつねられた。
「いだっ!」
風「顔、緩みすぎ」
片手だったのが今度は両手でつねられて、ぐるぐると回される。
「ひょっほ!ひゃにふるにょ!」
風「くくっ、すげーぶさいく!」
ア「今度はあそこがいちゃついてるし」
聡「本当だね…」
健「……」
「っもう!痛いじゃん風磨のバカ!」
風「浮かれてっから夢じゃないって確認してやったんだよ礼を言え礼を」
「言わないし!本当意味わかんない」
健「Aちゃん!」
「っ、はい!?」
健「花火大会、楽しみにしてるね」
私の風磨の会話を遮るように突然そんなことを言うから驚いたけれど、健人くんが楽しみって言ってくれたことが嬉しくて私も笑って頷いた。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時