20 ページ20
.
「それなら、Aちゃんもここでバイトしちゃう?」
「えっ!!!!」
唐突ないのちゃんの発言に、松島くんまでもが驚いて声を上げる。待って待って、ここで、健人くんとお仕事できるってこと…!!
「風磨はもともとキッチン希望だったし、松島くんもキッチン希望だから、もう1人くらい採ろうかなーって思ってたんだよね。本当は、女の子採らない予定だったんだけどさ。」
「い、いいんですか?!」
「もちろん、Aちゃんなら大歓迎♡面接する手間も省けるし助かったわぁ」
「いのちゃん…っ、よろしくお願いします!」
嬉しくて、思わず、今会ったばかりの初対面の松島くんの手を取って、わーい!!と歓喜の声を上げる。松島くんが戸惑いながらも一緒に喜んでくれて、優しい子だなあ、と嬉しくなった。
「これで健人くんにいっぱい会える…!」
「さっきから思ってたんだけど、健人くんってさっきいたイケメンの人だよね?Aさんの、彼氏、なの?」
「そそそそんな!!!!!!彼氏なんて!!!」
「Aちゃん、顔あかっ!彼氏か聞かれただけなのに」
「全然!全然彼氏じゃない!あの、わたしはただの、健人くんはわたしの想い人っていうか、その、健人くんは…」
「お、想い人…?」
「想い人って何!ウケる!」
げらげらと笑ういのちゃんと、Aさんって面白いね、と優しく笑う松島くん。2人に笑われてなんだか恥ずかしくなって、カウンター席の丸イスからぴょこっと降りて背を向けた、ら、
「けっ…?!」
「お疲れ、外まで声聞こえてたよ?」
そこに立っていたのは、まさかの想い人健人くんだった。
「あれ?健人、どした?」
「忘れ物しちゃってさー…って、Aちゃん、顔真っ赤」
わたしを見て、目を細めて優しく笑う健人くんがかっこよ過ぎてしっかり顔を見ることが出来ない。っていうか、外まで声聞こえてたって、どこから聞いていたんだろう…まさか、想い人のくだりまで…
「っみ、みなさん!わたしは帰ります!おやすみなさい!」
「えっ?!」
「バイトの件、また連絡するね〜」
待ってよ、と健人くんの引き留めるような声が聞こえたけれど、恥ずかしくていても立ってもいられなくなったわたしは大慌てでお店を飛び出した。
188人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時