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もしもし_2 ページ4

本当はもう別れないといけないのかもしれない。

でも、あなたへの”恋”という感情は、いつまでも手放すことができなくて。

きっと、”フラれるよりフッった方が気持ち的に楽だろう”っていう、

スプーンひとさじくらいの彼の甘さに

気づかないフリをしながら彼との交際を続けている。

よく小説や漫画でみる憧れの物語と、私たちの恋は全然違った。

だって、私の心の中のほとんどを占めているのは不安で、

愛情やぬくもりなんてひとかけらもなくなってしまっている。


・・・・・それでも、ぬくもりや愛情が、やっぱりほしいんだ。



スマホを手に取り、無意識に開いたのは彼の連絡先。

今日は、約束の日じゃないけど、出てくれるかな・・・・

そんな少しの期待を抱き、彼に電話を掛けた。



prr・・・prr・・・



しばらくなり続けるコール音。

やっぱり、出てくれないか。

そう思って、電話を切ろうとした。

『もしもし。』

・・・え?電話、出てくれたの?

夢でも見ているのだろうか。

『おーい、A?あれ、繋がってる?』

信じられなくて、頬を思いっきりつねってみる。

『痛っ!』

夢じゃ、ない・・・

『え、大丈夫?痛いって、なんかあった?』

あ、そっか。聞こえちゃってるのか。

『ううん、なんでもないよ。』

『それならいいけど・・・あ、そうそう、今日なんかあった?』

『特に何かあったわけではないけど・・・声、聴きたいなぁって思って。』

『そっか。』

その後しばらく、とりとめのない話をした。

切ってほしくないから、たくさん。

途切れないように。

ずっとこの幸せな時が続けばいいのに。

そんなことを願う。

でも、

『そろそろ寝よ?』

『あ、うん。分かった。』

彼のその一言で、この時間が終わってしまった。

『それじゃあ、切るね。』

『あ、待って!もうひとつだけ!』

『うん?何?』

今日出てくれた。その奇跡がまだ続いていることを祈って。

少し、息を吸い込む。

『真冬くん、愛してるよ。』

思ったよりも小さい声になってしまった。

『うん、僕もだよ。じゃあね。』




・・・そこで、電話は切れた。

本当はもっとあなたに伝えたいことがあったけど、言えたのは一言だけ。

まだ口元に残る甘さは何処にやればいいんだろう。


____あなたは、もう

【愛してる】

とは、言ってくれないんだね・・・

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結衣(プロフ) - 音瀬さん» コメントありがとうございます。え、検索避け出来てませんでした…?自分ではしたつもりになってしまってました…すみません、直します!ありがとうございます! (2021年5月7日 18時) (レス) id: 8c0157a9a7 (このIDを非表示/違反報告)
音瀬(プロフ) - 読ませていただきました!携帯恋話って感じしました!ですが、検索避けはした方が良いかと。もしかしたらタイトルもかもです!すみません、最近守っていない方が多いのでこれだけは伝えたくて。 (2021年5月6日 18時) (レス) id: 693e6b1cd9 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 月桜さん» コメントありがとうございます!今年受験なので更新スピードが遅くなってしまいますが頑張ります!ぜひ、これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2020年11月20日 1時) (レス) id: b2ccd85a65 (このIDを非表示/違反報告)
月桜 - おもしろいですね!更新待ってます!頑張って下さい(^^) (2020年11月19日 6時) (レス) id: f60c66ec0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結衣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yuiyu/  
作成日時:2020年5月24日 19時

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