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私は驚き過ぎて声が出なかった。
天「ちょっと聞いてます?」
「て、て、て天使…!」
やっと出た私の声は声のボリュームの調整ができず変に大きくて裏返っていた。
天「ちょっと!あんまり大きい声出すと聞こえちゃうんで気をつけてくださいよ。」
「な、なんでここに…?」
天「あなたに伝え忘れていたことがあって。」
「え…?」
天「今のあなたがもう死んだAAだということはあの人に言ってはいけません。」
「そりゃ言ったらヤバい奴だと思われるしね。」
天「それだけじゃなくて、それを言った瞬間あなたは2週間を待たずして強制的に天界へ戻ります。」
「は!?そんな大事こともっと早く教えてよ!」
天「すみません…。上から見ていてヒヤヒヤしました。
本名名乗っちゃったときはもう終わったと思いましたよ。」
確かに…さっきの状況は結構危なかった…。1日目にしてもう天界に戻るなんてことになりかねなかったな…。
「あれ?と言うことは太輔以外になら言ってもいいの?」
天「まぁ、信じてくれないとは思いますが他の人なら言ってもいいですよ。」
「なんで?」
天「…あの人は死んだあなたに依存し過ぎているからです。」
「…?」
天「あなたが全てを話したら2週間後あなたの後を追う可能性が非常に高いです。」
「そんなこと…」
ないって言おうとしたけど言えなかった。
天「…あなたは2週間何をしたいんですか?」
「…え?」
天「2週間なんてほんとにあっという間に過ぎてしまいます。目的もなくただあの人と一緒にいるだけで後悔しないんですか?
「それは…。」
天「よく考えて。自分が何をしたいのかを。」
天使はそう言うと消えていった。
何をしたいのか…。
そんなの…。
いきなり死んじゃって、あと2週間しか生きられなくなった時に決められるわけないじゃん…。
私はずっとモヤモヤした気持ちのまま眠りについた。
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作者名:結菜 | 作成日時:2021年10月3日 0時