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…が。
そこに居たのは、１人の少女だった。
気が付かなかったのは、銃声が大きくこだましていたからだろうか。
短い黒髪で、右手首が縄で縛られており、その縄は壁に取り付けられた手すりに縛ってある。
地面にへたり込んでいて、俺をただひたすら見つめている。
俺は銃をおろし、少女に近づいた。
少女はひるむこともなく、ただ俺を見つめる。
少女はスーツの男たちの血を浴びたのか、洋服や顔にベットリと血が付いており、肌も赤く染まっている。
優吾「…お前、アイツの娘？」
既にこと切れたボスの男を指さして聞いた。
少女は、首を横に振る。
よく見ると、少女の肌はいたるところに�悒▲兇�出来ている。
右頬には真新しいアザ、左頬や手足には紫色になったアザがたくさんあった。
唇も切れて、そこから血が流れている。
優吾「…お前、俺のこと怖くないの？」
俺は自分のことを指さして聞く。
この子は、この俺が目の前でたくさんの人を殺したのだ。
それを演出するように、俺の洋服は返り血で真っ赤に染まっている。
泣き出したり、必死に命乞いをしてもおかしくはない。
だが、少女は真顔で俺の目だけを見ていた。
「…」
少女は、首を横に振る。
優吾「…そっか。」
俺はそう呟く。
少女は、微かに唇を動かした。
優吾「…ん？」
俺は少女の口元に耳を近づける。
「……して、」
優吾「……」
俺は思わず耳を離して、少女の目を見つめた。
少女の目は、真剣そのものだった。
優吾「……殺して、ほしいの？」
俺がそう聞くと、少女はコクッと頷いた。
俺が持っている拳銃を指さし、少女は自分自身の頭に向ける。
これで、自分を撃てと言っている。
……
優吾「……お前、」
「……」
俺は、しばらく黙る。
優吾「……なぁ、」
「……？」
優吾「……俺、お前のこと、誘拐するわ」
俺はそう言うと、言うが早いが少女の後ろに回り込み、少女を右腕で抑える。
少女はまったく抵抗しようとしない。
俺は、左手でポケットから注射器を取り出すと少女のアザだらけの首筋に突き刺した。
俺はゆっくり注射器を押し込むと、少女はだんだん瞼を閉じる。
注射器を抜くと、少女はすでに眠っていた。
優吾「…面倒くせぇことしちゃったな」
言葉裏腹、俺は心なしか笑みを浮かべていた。
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すのうHIINA - ななもちさん» ありがとうございます！！チェックして頂けてるなんて光栄です！！「悪女」も見て頂けてとても嬉しいです！！ぜひ、これからもよろしくお願いします！！コメントありがとうございます！よろしければ、またコメントお願いします！ (2023年1月15日 22時) (
レス) id: 1662122533 (このIDを非表示/違反報告)
ななもち - いつもすのうさんの作品読ませて頂いてます！とても、面白いです。これからも頑張ってください！ちなみに、私の推し作品は「悪女には裏と表があるらしい」とこの作品です！投稿頑張ってください！ (2023年1月15日 21時) (レス) @page8 id: f3515f8922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すのうHIINA | 作成日時：2023年1月14日 19時
