友へ送る桜の贖罪ーアトーンメントー 【警察学校組】

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「なんで4年前に巻き込まれた事件と再会しているんですか!」



2日振りに会う松井が開口一番に怒鳴りつけた。



(私が知りたい)



米花中央病院に爆発物があったのを確認し、意識が朦朧とする中で3人へ連絡をしたまでは覚えている。ただし、その後の記憶が櫻樹には全くない。

松井曰く、櫻樹から連絡を受けた伊達率いる捜査一課、及び萩原率いる爆発物処理班が駆けつけたとのことだった。





風邪を悪化させて、爆弾付近で気絶している櫻樹を見つけた萩原は顔面蒼白＿＿

別の建物で爆弾を解体していたらしい松田に電話で怒鳴りつける伊達＿＿

意識を失っている櫻樹を対処する医者＿＿





まさに阿鼻叫喚



「先輩達が言っていました。いつから櫻樹は爆処に所属したんだって」
「な、ゴホッ、んで?!ゴホッ」
「喉腫れているんです、喋らないで下さい」



櫻樹は見事に喋る気が失せる。上司達の説教が待ち受けていると思うと、現実逃避したくなった。
遠い目をしていると、病室の扉が開くのと同時に松井が席を立つ。



「仕事はしばらく僕が引き受けますから、ちゃんと治してくださいね」



松井が退室し、彼らと目が合った瞬間、櫻樹は赤い顔を白くさせた。
こんなに怖い顔をした伊達と萩原を今まで見たことがない。



「Aちゃんさ、風邪引いている時無茶しちゃダメって知ってる?」
「お前にしては淡白な内容だと思ったが、まさか4年前と似たような経験してるとはなぁ」

(私病人!)



心中でそう思っていると、これまで喋らなかった松田が「コイツのお陰で俺も助かったんだから、責めてやるなよ」と呟いた。意味が分からずぽかんとしていると、標的を松田に変える。



「コイツ、爆弾解除しないで観覧車とあの世行きするつもりだったの!信じられないでしょ!?」
「俺が電話したから良かったものの!」
「だから悪かったって言ってるだろ!」



萩原の言葉に驚き、所々聞こえる会話を拾って整理する。

どうやら、杯戸ショッピングモールの観覧車にも爆弾が仕掛けられていたらしい。櫻樹は漸く映像の内容を読み解いた。



(待って、私が連絡しなきゃ松田くんは……)





4年前見た映像の、萩原くんと同じ道を辿っていたかもしれない＿＿＿＿?





理解した瞬間、あの時と同じように涙が頬を伝う。
騒いでいた3人は櫻樹の様子にギョッとし、慌てて顔を覗き込むが、小さく呟かれた言葉を聞き、顔を見合わせ、4人で笑った。









・









「生きててくれて、ありがとう」

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