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櫻樹が退院した後日、降谷の運転で早朝からある場所へ共に訪れていた。後部座席には4輪の百合が置いてある。潜入捜査中である降谷は、外では安室透として接することを条件に許可を出し、何度名誉の傷を負ったか分からない愛車を走らせる。櫻樹は静かな車内で、淡々と話し始めた。
＿＿
7年前、萩原くんが巻き込まれた事件があるでしょ?偶然、私もあのマンションに居たの。銃器密売の聞き込みでね。その時、偶然萩原くんを見つけて、解体に間に合わない彼を助けた
松田くんの時も同じだよ。風邪が酷くて病院に行ったら、そこに爆弾が置かれてて!意識が朦朧としていたんだけど、後で彼が爆弾と一緒にいなくなろうとしていたって聞いたんだ
諸伏くんとは、長野から戻ってきた時に偶然見かけたの。追いかけたら怖い目で誰かを睨んで、拳銃向けていたの!あの優しい彼がそんなことをするって思わなかったから、無我夢中で止めたなぁ
伊達くんの時は本当に冷や冷やした!松井くんの運転と車のお陰で、大惨事にならなかったの。車をおしゃかにしちゃったし運転手は重傷だったけど、結果的に皆助かって本当に良かった
＿＿
降谷は黙って櫻樹の話に耳を傾ける。
＿＿
でもね、全部嘘だった。夢だったんだよ。全部、全部、私が望んだ夢だったんだ
萩原くんが亡くなった日、私は非番だった。松田くんからの連絡を見たとき、絶望した
松田くんが観覧車に居た時、私は出張だった。連絡を見て、後を追ったんだってすぐに分かったよ
諸伏くんの件は伊達くんから聞いたよ。お兄さんに、どうしても話せなくて、ずっと辛かった
伊達くんが事故に巻き込まれた時、私は聞き込みをしていた。行き場のない感情が、支配した瞬間だった
＿＿
櫻樹と降谷が向かった先は、警察学校時代、彼らと共に訪れた桜通りだった。かつて6人で桜の大門を誓った、思い出の場所。高く大きく
「……降谷くんと連絡が取れなかったから、あぁ、私は独りぼっちなんだって、ずっと思っていた。でもね」
少し影を射していた顔つきから、晴れやかな笑顔で降谷を見つめる。
「今、こうして降谷くんに会えた。別々の道ではあるけれど、生きているって、名前を呼べるって分かった」
降谷も穏やかな顔で、櫻樹を見つめる。
・
「生きて。他の誰でもない、今を歩いている自分の為に」
それが、彼らの願い
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涼夜(プロフ) - 休校さん» コメントありがとうございます。気に入っていただけて幸いです。今思えば、後ろから読んでも案外悪くないかもしれない…と自分で思っちゃいました笑 感想をありがとうございました。続編は7年前のお話なので、こちらもよろしくお願いします! (2020年6月29日 23時) (
レス) id: b39a884821 (このIDを非表示/違反報告)
休校 - 面白くて、切なくて、哀しい物語でした………すごく気に入りました！遠回しな表現や伏線などを理解していくと奥が深いですね！最後は、赦しをこう相手がいて、よかったです！上から目線ですみません！すごく楽しかったです！ありがとうございます笑 (2020年6月29日 21時) (レス) id: 45889617ce (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 涼夜さん» 読みましたけど...まぁ、とりあえず泣いたのはいいとして（よくない）私は、泣ける小説も好きなので！何となく逆走ってところでひかかってはいたのである意味スッキリですw完結？おめでとうございます！ (2020年6月27日 23時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
涼夜(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。想像していた展開とは真逆だったでしょうか?「作者から」に解説みたいなのを記載しました。望んでいた展開等ありましたら、コメントをしていただければ幸いです。 (2020年6月27日 22時) (レス) id: 5c254c67f7 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 全部...夢だったの...？え... (2020年6月27日 1時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼夜 | 作成日時：2020年6月20日 21時
