秘めたるは高嶺の花【JW】～橙の事件簿～ (ページ11)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:19,733 hit

＊＊　11 ページ11

照史は週刊誌を見せ、盗作疑惑を受けていることを話した。

ただ、比べられている絵は色だけは違ったが、似すぎているほど似ていて・・・
その絵をみた兄弟達も判断がつかなかった。

考え込む兄弟を見て照史は落ち込むように項垂れた。

そんな中、その絵を見た淳太は―――――

「あれ？この絵って照史の小学生の時の絵やん。」

その言葉に照史がぱっと顔を上げる。

「なんで知ってんの？」

「なんでって・・・照史が見せてくれたんやで。
これ、お母さん描いたって言って・・・って照史？」

ぽたぽたと大粒の涙が照史からこぼれる。

「泣かんといて・・俺照史に泣かれたらどうしていいかわからへん・・・」

そう言ってそっと目尻にキスをする。

いつもなら悲鳴を上げる兄弟たちも、照史の様子に口をつぐむ。

「・・・その絵、なんかのコンクールに応募してん・・
でもあかんかって、返却されてたやつ。
この間見つけて、それで・・・それにインスピレーション受けて、
今回は淳太君のイメージで描いてん。」

「えっ？ほんならその盗作やって騒いでる人の方が、照史の真似したってことにならん？」
智が言う。

「確かに・・・ってかそのコンクールなんてやつ？審査員とか調べたらいいんちゃう？」
シゲが聞く。

「あ、確か封筒に・・・・あった。第21回日展？？日展？えぇっ？？」

照史が封筒を見て驚く。
他の面々も驚いた表情を見せている。

.